心理ハック
心理学的に時間をうまく見積もって仕事を片付ける方法
- 2009年07月22日 (水)
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1.サンクコストを無視する
2.「利益確定欲」を何度も使う
3.最初と最後の印象をいつも良くする
4.可能なときはいつも長めに見積もる
どれも経済心理学的な話なのですが、特に「時間貧乏性」の人は、時間=お金以上に時間を惜しみますから、このほとんどが利用できます。場合によっては、お金に関する行動よりも、経済心理学的な傾向が強く出ます。
なお、この方法のほとんどは、タスクシュートやToodledoなどで、時間を見積もって仕事をしている場合において、特に有効ですが、時間感覚はタスク処理につきものですから、いずれにしても、一定の効果はあるでしょう。
1.サンクコストを無視する
これこそ、「時間の見積もり」をしている際に、最も重要な心理操作なのですが、容易ではないでしょう。1時間と見積もった仕事に、1.4時間くらいかかって、ぜんぜん成果が上がっていないと、非常に損をした気持ちになるのです。
しかし、これは意味が全くないので、直ちに1時間と見積もったタスクを消し去り、改めて、時間を1時間なり見積もって、他の仕事の次くらいに回しましょう。そのまま続けても良いですが、それは「そうした方がはかどる」という条件がある場合です。まちがっても、「現状維持バイアス」にふりまわされて、元を取ろうとしてツボにはまったギャンブラーみたいになってはいけません。それこそ、時間の無駄というものです。
人は、一定の投資をしてしまった対象について、納得できる成果を回収したいと強く思うのです。しかし、それはできない相談だ、ということも少なくないものです。
2.「利益確定欲」を何度も使う
損切りが難しいのの反対で、利益が出ているときには、ついつい「利益確定」を急ぎたくなります。株やギャンブルをやったことのある人なら分かると思いますが、利益が出ているときには、なるべく早く「現金」を手にして退散したくなる、ということです。
一定の成果が見えてくると、その仕事を仕上げるのは容易になります。利益の確定が見えるからです。仕事の取りかかりが難しく、終わりかけはそうでもないのも、このせいです。メールをなかなか書き出せずにいたのに、書き上げる頃になると、夕食を後回しにしてでも、書き上げようとするでしょう。
ゴールをやたらと小分けに用意する。2分で終わる仕事から取りかかる。途中まででも良いからやっておく。この手のライフハックはみな、利益確定欲に働きかけています。この工夫を至る所にちりばめましょう。
3.最初と最後の印象をいつも良くする
人は、最初と最後を良くおぼえている性質があります。米国大統領のリストだとか、山地、山脈のリストなどをおぼえさせられると、多くの人が、リストの最初と最後と、一部有名な項目ばかりを正解できるわけです。
タスク処理においても私はよく、最初と最後だけはやたらとわかりやすくしておき、何か良い刺激とともに仕事することにしています。チョコレートをかじりながらスタートし、アメをなめながら終わるなどです。何でも良いのですが、要するに最初と最後の印象が、タスクの印象を決めるというわけです。
4.可能なときはいつも長めに見積もる
時間の見積もりにおいて、人間心理ですから、期待する時間というものがあります。仕事を速く切り上げたいとばかりは限りませんが、忙しいわけですから、なるべく短い時間で済むなら、それに越したことはないという絶対的な気持ちはあります。
期待と比較してしまうという心理傾向があります。たとえば私は千葉ロッテマリーンズファンですが、10-0で負けていた試合で負けるのと、10-0で勝っていた試合を逆転されて負けるのとでは、ショックの痛さが違います。
時間の見積もりの場合、結局オーバーするよりは、あまった方がうれしいわけですから、10分くらい長めに見積もれるなら、そうした方がいいでしょう。60分と見積もったところが50分だと、何か得した気持ちになります。反対に、40分と見積もったところが50分かかると、怠けていたような気になってしまうのです。