心理ハック
プレゼンのための5:3:2の法則
これはかつて浪人時代、予備校の先生がおっしゃっていたことをプレゼンに当てはめているだけなのですが、プレゼンで聴衆の方に満足してもらうには
・聴衆がすでに知っていること50%
・言われれば「聞いたことがあるな」思い出すこと30%
・初めて聞く話20%
というバランスで話すのが経験的にもいいと思っています。
慣れない人はどうしても「知らない話」ばかりをしたくなる
私自身もそうでしたし、こうした気持ちになるのは当然です。なぜなら、事前に聴衆の人たちが何を知っているか、わからないからです。
登壇して前で喋る以上、「みんなが100%知っていることだけを2時間喋りまくるのだけは、避けたい」と思うものです。なるべくみんなの知らないこと、なるべく聞いたこともない話、なるべく新情報を話したい。さすればみんな感心してくれるであろうし、役にも立つであろう、と、こう考えます。
しかし、実際に聞く側になってみると、知りもしないことばかりを2時間聞かされるのは、とても苦痛です。だいたい30分以後は、上の空で頷くだけになっています。聞く側にもプライドの問題があるため、講演者の話をさえぎって「もっと私たちの知っている話をしてください」などとは言えません。
拙著によく「人はなじみ深くて新しいものを欲しがっている」ということを書きますが、結局それは、既知8割、未知2割ということなのです。これでも未知が多すぎるくらいで、未知1割くらいがベターかもしれません。
話し上手な講演者は、未知10%くらいに押さえていることがほとんどです。リラックスして話している上に、聴衆の反応をよく見ており、しかも展開がよどみないので、聞いている側はたくさんの珍しい話を聞いた気になりますが、考えてみると、忘れていただけのような話(つまりだいぶ前に新聞で読んだような話)が多く入っているものです。
ものをよく知っている、しかも新人さんのような方のセミナーにお邪魔すると、未知6割くらいの話を、早口でまくし立てていたりします。私も昔やっていたことですが、聴衆としては、とてもつらいものです。
文章とちがって、口頭でのおしゃべりを聞いていると、前段は容赦なく消え去っていくわけですから、未知の話は決してスムーズに頭に入りません。それが早口だったら、お手上げです。「有益な」情報が多すぎるというのは、少なくとも楽しめる状況ではないわけです。