ライフハック心理学

心理ハック

「行き詰まったらまず記録する」という方法を思い出して下さい


「記録するだけでうまくいく」はずがない!と思う人はちょっと考えてみて下さい。

人は「悩む」ことと「他人のアドバイス」を信頼しすぎています。
「悩んでいるうちに」ふいに回答に行き当たることはたしかにありますし「他人からのアドバイス」で大いにうまく行ったという事例もたくさんあります。

たしかに「悩む」ことと「アドバイス」には大きな効果があります。それは否定できません。しかしそれぞれ小さくない欠点もあるのです。

「悩む」と堂々巡りしやすい


7±2の法則はあまりに使われすぎていると思うのですが、頭で一度に処理できる情報量にはあからさまな限界があります。考えなければならない要素がたくさんありすぎると、どれかを見落とすものなのです。

悩むということの問題点は、自分の頭の中にあることすら走査しきれなくなることです。しかも脳にはショートカットを好むという性質があるため、何度も考えたことの方を、めったに考えない発想よりも優先的に検討してしまいます。

つまり頭で考え続けるだけだといつまでも同じ答えにしか行き着かないリスクが高くなるのです。メモすることまで含め「記憶を外部化する」ということは、脳の容量制限という欠点を補うための一手段です。

ノートでも書くスペースが足りなくなって困ることがあるでしょう。脳の外に追加スペースを作れば、それまで検討しきれなかったことまでを検討対象に含められます。

「アドバイス」にはウソが多い


以前に比べれば「活字信仰」は良くも悪くも弱くなりましたが活字になっていてもいなくても私達は「社会性」という性質を持っているため「他人のアドバイス」には弱いところがあります。

その上悪いことに人に向かって何かを話すとき、人間は話を脚色したがります。これもまた「社会性」の成せる業です。もちろん完全なウソを騙りたがる人はそう多くないのですが、時々できることをいつでも当然できるかのように、序文を読んだだけの本を全部読破したかのように言いたくなるものなのです。

そういった話をするとき、人の口調には独特の調子が表れますので、割り引いてきくのが当然ですが、どのくらい割り引いて聞くべきかはハッキリしません。本当のところは分からないからです。

『羊たちの沈黙』に登場するクロフォード課長に言わせれば「年長者の功績の話ほど若い人に害になるものはない」そうですが、正反対の信念をもっている人も少なくはありません。

ダイエットにせよ貯金にせよ整理術にせよアドバイスはたしかに有益ですが、有益過ぎそうなアドバイスのシャワーという問題を、おそらく避けられないでしょう。

「記録」は堂々巡りを防げるし、気をつければウソの混入を防げる


というわけで記録をとることです。

ただひたすらに思い悩むよりは、記録があれば広い視点で先のことを考えられます。

また、アドバイスがいかに現実離れしていようと、現実の記録が地上に足を縛り付けてくれます。

悩むにしても記録した上で、アドバイスを求めるにしても記録した上で、ということにすると、それらの効果を少し上乗せして得ることができます。