旧ライフハック心理学

心理ハック

059 予測と「ネオフィリア」(新しもの好き)

私の『「ロボット」心理学』は、サブタイトルを「新しもの好きの心理学」と付けました。これは、生物学者、ライアル・ワトソンの『ネオフィリア』のサブタイトル、「新しもの好きの生態学」をもじったものです。

今回までの、「ロボット」心理学2のエントリで、「ロボット」のトップダウン・プロセスについて、述べてきました。すなわち、海馬をそのプロセスの最上位と仮定し、

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056 普遍の表現

アメリカで授業を受けていた頃に読んだ、教科書に、

「私達は、なぜ他人の書いたものを、AならAと、判断できるのだろう。私は夫の書いたAが判別できるのが、我ながら不思議。だって夫のAは、誰がどう見ても、Aらしくはない」

アメリカ人の手書きの英語の汚さといったら!アメリカ人もそう思っていることを知ったのが、この授業の救いでした。

「普遍の表現」という重要な概念があります。この「普遍の表現」のおかげで、AならAと、判別できるのです。私達は、例えば今私はキータッチしていますが、かなりの速度で、「ユビから入ってくる」信号は変化します。それに、キーボードの一部しかたたいていません。しかし、意識の上では、「キーボード全体」が意識されていて、しかもそれは「不変」のままです。これが、「普遍の表現」(←文字に注意)です。

このように、「今、私は何それをしている」とトップダウンからの意識がまずあって、それに応じてボトムアップからの刺激を、適切に処理・当てはめるのです。今私は「キータッチ」しているという普遍の表現がまずあって、それに応じて、ユビからの信号、視覚の端っこに見える、キーボードらしき影、を適切に処理するのです。

この普遍の表現。なんだか、哲学の話に似ていると思いませんか?私は専門ではありませんが、プラトンや現象学の話を思い出します。例えば私達は、リンゴを見ているとき、見ているときは味わっていませんし、そもそも「見える」のは「リンゴの一部」ですね。リンゴ全体を「見る」ことは難しいし、まして「この世にある全てのリンゴ」を体験することは出来ません。なのに私達は、リンゴを見ているとき、自分はリンゴを見ていると思うのであって、見えない後ろ姿は、ミカンかも・・・などとは思いません。これも「普遍の表現」というトップダウンのなせるわざで、これを手品では利用します。

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055 危険を知らせるユーモア

『暴力から逃れるための15章』7 

今日は、「人工衛星」の1つである、「危険を知らせるユーモア」についてのお話です。

皆さんは、「左脳と右脳」に大脳が分れている、という話を、少なくともどこかで耳にしたことがあると思います。大脳生理学でも、興味深い研究テーマながら、あまり深入りすると「二分脳マニア」などと陰口をたたかれる恐れもある、面白い分野です。

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054 ワーキング・メモリーと感覚記憶

大脳に関する「記憶モデル」が確立したのは、(心理学の世界では)結構古く、一節によれば1950年代後半と言われています。もうすっかりおなじみの、コンピュータのモデルを模倣したようなものです。

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053 情報整理ツール『TOMBO』

今日
(2006-05-26)のNBO LifeHacks
に私は、

もしも、すべての情報をファイルとして混在させて、必要に応じてカテゴリ分けにすることが出来れば、もっと便利になるだろうし、
面白い発見も増えるかもしれません。

と書いておいたのですが、一応これを実現する方法がすでにいくつかあります。その中で私が使っているのは、TOMBOというソフトです。

機能について詳しくは、「ベクターソフトニュース」で、非常に読みやすくまとめてありますので、そちらをお読みください。
http://www.vector.co.jp/magazine/softnews/060215/n0602154.html

私がこのソフトで何といっても気に入っている点は、

  1. テキストファイル全文検索機能付きで、その検索機能を保存しておける(検索結果フォルダが赤紫色で表示される)
  2. ファイルごとに、パスワード保護がかけられる
  3. ウィンドウズと全く同じ機能を保ちつつ、ウィンドウズCE・PocketPCで利用可能。同期もとれる。

特に第1番目の、「検索フォルダ」を保存する機能を、私は重宝しています。
基本的に、このソフトではテキストファイルを階層ツリー方式で管理していくわけですが、この基本機能については、
私は単純に時系列順で管理します。
これだけなら、他のどんなソフトを使っても、あるいはエクスプローラを使っても、いいくらいです。【図1】

【図1】

2006-05-26

ここで、下の方に【検索結果】とありますが、この赤紫色のフォルダがポイントです。
これは、こういうのに慣れている人はすぐに分かるとおり、「仮想フォルダ」です。この中に現れるファイルは、
本体が別の所に置いてあるままの、いわばショートカットファイルだと思ってください。

私は、「検索結果」フォルダに、「参照」フォルダを用意してありますが、このフォルダに入ってくるのは、「メモ」
フォルダにある全てのテキストファイルの内、タイトルもしくは本文中に「参照」という熟語が入っているファイルのみです。要するに、
GREPをかけているわけです。

ところで、出来ることなら後で参照したいと思うメモには、全て「参照」のキーワードを振っておきたいものです。そうすれば、この「参照」
フォルダさえクリックすれば、いつでも参照すべきテキストファイルが集まってくるからです。

そのためには、「後で見る」とか「後で参照」とか「重要」とか「要チェック」などのように、表現を揺らさないことが望ましいわけです。
後で見たいものには、いつでも「参照」というタグ(キーワード・ラベル)を付けておきたいものです。「後で参照」なら、ちゃんと「参照」
の文字が入っているからまだいいですが、「要チェック」では「参照」フォルダに入ってきません。

そこで私は、ATOKの「単語登録」機能を使って、「たぐ」と打ってから変換すると、「参照」と変換されるように、してあります。実際には、
[参照]と変換されます。こうして、「たぐ」に頻繁に使う「キーワード」、例えば私の場合ですと、「心理学」とか「ロボット」とか「認知」
とか「意識」などを入れておきます。そうすれば、自分の使うキーワードを、いつでもリストアップして選ぶことが出来る上に、
紛らわしいキーワードを使わずに済むからです。

【図2】
2006-05-26(2)

 

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