旧ライフハック心理学

心理ハック

『残業ゼロの1日1箱仕事術』の「目次」と「はじめに」

5月30日から発行されている『1日1箱』ですが、ネットから買うには、ちょっと中身が見えてこない様子です。
そこで、私のブログから、「はじめに」と「目次」を発信いたします。

これをごらんいただけば、基本的には私がいろいろなところで述べてきたことの「まとめ」を本にしたものなのですが、統一テーマに「やる気×時間」の概念があります。

単純な考えなのですが、長期的に仕事を続けていく上では、欠かすことのできない知識ですので、その辺のところを意識してお読みいただければ幸いです。

はじめに

この本では、あなたの仕事がなぜ終わらないのかについて、心理学をもとにしてシンプルに解明します。

まずは「箱」を思い浮かべてください。その中に入っているのが、あなたの今日の仕事です。
1日かけて、それを減らしていき、すべてなくなったら、本日の仕事、終了、というわけです。
箱の中身をなるべく早く減らす。このことに意識を集中させてください。

仕事が終わらない理由はズバリ3つです。

1 仕事が遅い(箱から出すのが遅い)
2 仕事が多い(箱に入れる仕事量が不適切)

そして、この問題の解決策は以下の通りです。

1 仕事が遅い

やる気と効率を上げる

2 仕事が多い

最適な計画を立てる

本書では

1、やる気と効率を上げる方法
2、最適な計画を立てる方法

を伝授します。
キーワードは「1日1箱」。

目次

第1章 「1日1箱仕事術」とは?

1 1日にやる仕事を1つの「箱」に入れる
2 「適切な量」を入れる
3 1日の仕事量を増やさない
4 なぜ「TODOリスト」は使えないのか?
5 見通しが立たないと脳は動かない

第2章 箱に何をどれだけ入れる?

1 時間をお金のように考える
2 細かな時間の量を見積もる
3 「何時から何時」という概念は不要
4 長期のプロジェクトはどう箱に詰めるのか
5 デッドラインから逆算する方法には無理がある
6 1日の予定を立てる
7 余計なものを箱から取り出す
8 黄金の朝時間が無駄に使われている
9 後で片付けやすいように「箱詰め」する
10 「ごほうび」を必ず1個は「箱」に入れる
11 「箱」の中身がなくならない本当の理由

第3章 箱の中身を早く減らせ!

1 やる気×時間
2 睡眠でやる気は復活する
3 午前中にメールチェックをしない
4 「まず、動く!」は最終手段
5 ストレスは「気持ちの問題」ではない
6 ためしに少し「やっつけて」みる
7 まずは「5分ルール」で仕事に取りかかる
8 作業の後には必ず休憩を入れる
9 仕事はなるべく「無意識化」する
10 見通しが立たない仕事は積み上げるしかない
11 6分の使い方
12 常に「Doingリスト」を用意する
13 カンヅメ効果を120%に

第4章 箱を空にする秘訣

1 メールは昨日のものだけ対応する
2 やる気はどうやったら生まれるのか
3 「見通し」があると、やる気が生まれる
4 いつも無理があると心得る
5 デッドラインをフル活用する
6 1日の中にいくつも「壁」を作る
7 箱を毎日、空にする「アーカイブ発想」

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色の話は難しい

私は留学中に視覚の話が出るたび、身構えていました。授業が英語で怖かったことに加え、どうも「色の話」はわかりにくかったのです。

色の話がわかりにくいというのは、デザインの話ではなく、「3色色覚」がどうのこうの、といった話です。特にうまく人をからかう教授がいて、彼は私たちに「色がなくなる部屋」の映像を見せてくれました。そこには、光はあるけれど、色がない。

この辺で、色覚の話を考えつつ、英語を追っかけつつ、訳がわからなくなり、テストが怖くなるという、最悪の状況。

認知心理学の基本的テーマは、私にはもともと難しくは思えませんでした。曰く「人はみな、違った世界に生きている」。誰も同じ現実を、同じようには感じていない。

とはいえそのことを、絶え間なく意識して生きているわけではありません。というよりも、多くの場合、そのことをうっかり忘れて生きています。だからときどき、次のような指摘をされて、どきっとしてしまうわけです。

http://www.happycolors.net/simulation.html

色弱シミュレーション | Happy Colors via kwout

世界は誰にも同じように見えているわけではない、とたびたび確認しているにもかかわらず、そのことを忘れて「こう見えるはず」というつもりでブログを書いたりしてしまいます。自分が見ているとおり、人も見ていると想定してしまうのです。

「色の話」は、世界が人によって見え方がちがうということに気づくのに、かなりよい題材です。自分ひとりに限ったところで、同じモノを同じ色においてだけで見ているわけではなく、白い本をオレンジ色に見ることなどは容易です。夕日に当てればいいのです。しかし、そうすると今度は、もっとオレンジに見えるはずの本を、「白なのだから白く見るように」脳に強制されます。これは「色の恒常性」と呼ばれる体験です。

ここから逆に考えていくと、なるべく自分が見ているように、他の人にも見てもらうには、情報をできる限り絞り込めばいい、という方向が考えられます。光と音を使うよりは、光だけに頼った方が、音情報の想定違いは起こりえなくなりますし、フルカラーよりは、モノクロにした方が、色情報における見込み違いも起こりにくくなるでしょう。

そんなことを考えたのは、最近の「電子ペーパー議論」を読んだからです。電子ペーパーはいずれ普及するでしょうが、初めはモノクロだという感じがしています。そこで、色情報のことを考えたのです。雑誌は多くがカラーだが、本というのは実は、モノクロが多い。小説のなどは、モノクロで、文字ばかり。

だからモノクロの電子ペーパーで十分という考えもあるが、いずれはカラー版もすぐ出てくるだろう。けれどたとえばマンガは? 技術的にカラー化するのは容易な時代、アニメはとっくにカラー化された時代になっても、マンガは意外とモノクロのままです。それでいいのかもしれない。でもそれはなぜだろう?

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笑顔の意味

愛が時空を越えることが証明された?
http://lifehacking.jp/2009/05/sending-love/

とても面白い記事だったので、ちょこちょこといじってみます。この記事に関することで、心理学論文のテーマを三つほど見つけられそうです。

まず私が気にしたのが次の所。

得られた実験結果が偶然に生じた確率は 11000 分の 1 だというのも驚きです。少なくとも私の研究分野だったら「統計的に有意」と扱うべきレベルといえるでしょう(もちろん、統計的に有意でも、物理的に意味のない現象はいくらでもありますが…)。

これは、心理学でも当然「統計的に有意」ということになります。そして多くの場合心理学であれば、これでいちおうまとめてしまうことができそうです。むろん、「統計的に有意でも、物理的に意味のない現象は」あるのでしょうが、心理的に意味がないかどうかは、それほど自明ではありません。

(人の研究に突っ込むときは、「統計的に有意」の無意味性をたたく一方、もちろん自分の研究の正当性はまさしく「統計的に有意」以外のものではあり得ない。そんな人はいろいろな国からたくさんやってきていました)。

「物理学の世界とちがって、心理学では何ごとも証明(prove)できない」と、ノーベル賞受賞者である行動主義の教授はおっしゃっていました。もっとも、私はその先生が怖くてびくびくしながら聞いていたから、正しくこの通りに言っていたとは言い切れませんが。

もうひとつきになったのは、次の所。

元記事でこの現象を説明するのに量子もつれをもちだそうとしたあたりで意識が遠のいたのですが、

そうですか。やっぱり物理学専門の人にとっては、脳内現象(心理現象)に「量子のもつれ」はいけないのですね。「当たり前じゃないか!」と言われると、私のような、物理学にかなり暗い人間は困るのですが、アリゾナ州立大あたりでは、「脳と意識」(特に自由意志)を「量子」で説明しようと盛んにがんばっていたグループがあったように記憶していたのです。今はもうなくなってしまっているのでしょうか。

以上はもちろん、私はただ興味本位で読み進めていただけですが、次はこのブログの守備範囲です。

とりたてて意味がなくても笑顔を基本の「姿勢」にしていることのメリットは本人だけではなく、周囲にも拡散してゆく気がします。

取り立てるほどではないかもしれませんが、意味はあります。一般に、人は笑顔を作ると、自分が楽しくなります。(悲しい顔をすると悲しくなる)。何ごとも証明されない心理学の世界でも、このことは「強く示唆」されています。

そして、人は「心を読む」ことが出来るとされ、共感力があるとされ、「ミラーニューロン」などの存在が、感覚的な伝播を「強く示唆」していると思われますから、ポジティブな「態度」がポジティブな影響をいろいろな意味で周囲に与えるということは、「妥当な推論」だと考えてよいでしょう。

「笑顔でいる」ということは、よいマインドハックです。

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やり方は自分で言って教えてもらう

「やり始めれば、仕事は進む」のはなぜかということについて。

「やり始めれば、やる気になるから」という説明があります。これも本当ですが、もうひとつ、やり始めると、やり方を思い出すから、という説明もできます。

私たちの記憶には面白いところがあって、「知っていること」であっても、意識的に思い出すのは難しいことがたくさんあります。

たとえば、「泳ぎ方」。私は泳ぎ方を知っているので、泳ぐことはできますが、どうやって泳いでいるかを言葉で説明するとなると、かなり面倒に思います。この手の記憶は、心理学でいうところの「手続き記憶」ですが、これに近い状態になっている記憶は、実はかなりあるのです。

私の家は寺なので、早口で唱えても15分はかかる経文を、覚えさせられました。だからそれらは頭に記憶はされていますが、どこか一部だけを取り出して唱えるようにいわれても、できないところが多いです。前から順番に全部いうことはできても、一部だけは取り出せないのです。これは、言葉の記憶ではありますが、手続き記憶のようでもあります。

ちなみに父は僧侶なので、さすがにどこでも随意に取り出せます。これが記憶の熟達度によるものであることは、いうまでもありません。しかし、すべてを反対に唱えることは、きっとできないでしょう。

タスクの手順というのも、これと似たところがあって、やり始めればドミノ倒しのようにどんどん手順を思い出して、だから最後までやれたりするのですが、タスクリストのタスク名だけがあるときには、何をやるかがあまりよく思い出せない。だからできないような気がするものです。

そんなことを、次の本を読みながら考え続けました。

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脳が使うエネルギー量はどれと同じ?

脳が使うエネルギー量はどれと同じ?
(a)冷蔵庫内の照明灯
(b)ノート型パソコン
(c)アイドリング中の車
(d)高速道路を走る車

これは難しくない問題ですね。ちょっと選択肢を見れば分かってしまいそうですが、このことを考え直してみると、ちまたで言われている「頭の働きをよくするためにブドウ糖をとるべし」というライフハックが疑わしく見えます。

というのも、脳のエネルギー消費量が、そんなに膨大であるはずがない。高速道路を走る車並みなんて、あり得ない。脳内の電力で自家用車を時速100kmで走らせられるかと考えたら、無理そうでしょう。

しかも私たちの大半は、はっきり言ってかなりのハイカロリーをとっています。考え始めたとたんおなかがすいてくる、なんてことはなさそうなくらい毎日もりもり食べています。それだけ通常カロリー摂取しておきながら、勉強前にチョコレート? 供給過多な印象が。

個人的な話になりますが、私は身体にちょっとした障害があって、砂糖は身体が受け付けません。果糖、ブドウ糖も基本的に多くは摂取できない。したがって、お米、芋、くだもの、にんじん、大根、はちみつ、黒糖など一切ダメ。つまりそれらは全然とっていません。主食は基本的にゼロに近づけ、甘いものが欲しければ、徹底的に人工甘味料だけにしてゼロカロリー。

しかし、そのせいで日常の思考活動もできないとか、記憶障害になっているなどということは全くありません。「しかしオマエはバカじゃないか!」という指摘はダメです。本当に脳のエネルギー不足が深刻になれば、「バカ」では済まないからです。

とはいえ、ブドウ糖と脳の働きに関する通年にはかなり根強いものがあるらしく、父は私にいいました。「オマエは甘いものを全然とらないから、頭が働かないのだ!」と。

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