心理ハック
心理ハック 一度忘れてタイムリーに思い出す
「間を置くシステム」を私のブログでは「心理ハック」として扱いますが、これはライフハックの根幹をなす要素の1つです。
一度忘れてタイムリーに思い出す
このシステムでもっともよく知られているのは、買いものメモです。買うべきものをいったん忘れて、買うことのできるところへ到着したら、そこでタイムリーに思い出すためのシステムです。
応用事例はたくさんあります。毎日の習慣を身につけるのもこれが目的の場合がほとんどです。悪習から脱するにも、このシステムが必要になります。
43foldersなどを活用すれば、請求書のことをいったん忘れて、翌月の10日にそれを思い出すことも可能です。
効用 必要なことだけに集中できる
一度忘れてタイムリーに思い出すための記憶を、心理学用語で展望記憶(未来記憶)と言います。この記憶を機能させるのはけっこう大変なことのため、「忘れずに○○する」ことをメモなしでやろうとすると、注意が散漫になります。
そこで注意を集中するために、大がかりな展望記憶補助システムが役に立ちます。そんなシステムがGTDであり、ツールとしてToodledoやRTMがあるというわけです。
あくまでも心理学的に言うと、GTDや以上のツールは、「あらゆることをやる」ためや「やりたいことをやる」ためや「タスクを滞りなく処理する」ためにのみ存在しているわけではなく、「安心して集中する」ためのシステムなのです。
心理ハック 1分だけ「いやなこと」を忘れる
なんだかよくわからない人からろくでもないことを言われるなど、気分が悪くなる出来事に、私たちはたびたび遭遇します。すぐ忘れるのが最善ですが、それができない人も少なくありません。
一分間時計を見つめて秒数を数える
いやなことがあると、忘れるのが最善なのに、人によってはその逆をやってしまいます。リフレインして、記憶に定着させてしまうのです。この流れが一度始まると、長時間続けてしまうという人すらいます。
そこでこの流れを絶ちきるのがこのマインドハックです。秒針付きの時計を見つけて、秒数を数えます。一分間、最初の秒数を忘れないようにしながら、22、23、24、25、と読み上げていきましょう。声に出してできると、もっともよいでしょう。
効用 頭が切り換えられる
認知心理学者のU・ナイサーは、知覚とは循環であり、注意とは知覚そのものだ、と言っています。ならば、循環を断ち切り、知覚を成立させないようにすれば、注意も自ずとそれるはずです。
最初に数え始めた秒数を記憶に残しつつ、数を認識し、しかもその数を声に出すとなると、すべてを一分間続けながら、いやなことの思い出もリフレインするのは難しくなります。つまりどれかができなくなります。
時計をじっと眺めつつ声に出せば、いやなことを覚えておく方が難しくなってきます。これが狙いです。
ライフハック心理学セミナー@大手町1月号
「ライフハック心理学セミナー@渋谷1月号」が満員御礼となりましたので、同じ内容のセミナーを1月20日(水)に大手町でも開催させていただきます。
開催場所は、アイティメディア株式会社(東京都千代田区大手町1-3-1 JAビル7F)です。
今回のセミナーでは、「記憶の外在化」について、Evernote を中心に考えてみたいと思います。同時に私が普段利用している、Toodledoの基本的な構造と利用法についても紹介します。
心理学でこれらに関わる分野は、認知心理学。中でも、記憶です。
頭の中の記憶の構造まで含めて外在化しようとすると、どんな問題が発生するのか、そしてそれを、私たちはどうやって解決するか、さらに、ツールにあわせなければならないときには、どんなことになるのか、問題と解決策を、一緒に考えてみましょう。
Evernote は非常に高機能なパーソナル・データベースで、記憶の構造化や、時系列との関係を、洗い出してくれますが、それでも整理に混乱することはよくあります。なぜなのでしょう? 記憶の混乱を、整理のプロセスで、反映してしまうのでしょうか?
そんな混乱を極力抑えるためには、何が必要になるかを、2時間かけて徹底的に追求してみたいと思います。
またこれはまだ未定ですが、ちょっとしたサプライズがあるかもしれません。
▼お申込は「こくちーず」のページよりお願いいたします。
http://kokucheese.com/event/index/1133/
心理ハック 「No」の数を数える
いやなことはいやだとはっきり言うのが、精神衛生的にも、人間関係を健全に保つ上で最善なのですが、どうにもそれができにくい状況はあります。また、なんだかんだと言っても「No」と言えないという人はたくさんいらっしゃいます。
「No」の数を数える
数を数えるのは、あなたが「No」と言った回数です。もしも特定の人に不快な思いをさせられ続けているなら、
・あなたは「No」と一度も言っていない
・あなたは「No」を何度か言ったが、何度か無視されている
の、いずれかであるはずです。
否定的な意思表示を、たとえば1年にわたって一度もできていないなら、その回数がいまだ「ゼロ」であることを認識しましょう。
否定的な意思表示を、たとえばひと月で百度以上無視されているなら、明らかにその関係を検討すべきです。
効用 自分の意思をはっきりさせる
自分の気持ちをはっきりさせるというのは、難しいことです。自分に対してはっきりさせるのも、人に対してはっきりさせるのも、どちらも難しいことです。あいまいにさせておくほうが、ずっとやさしいことでしょう。
「No」を言うことと「断る力を発揮する」ということは、イコールではありません。「No」は、「依頼を断る」時だけに口にする言葉ではなく、あなたに対して誰かがやってはいけないことをしているということを伝える言葉でもあります。
これができないと色々な問題を引き起こしかねないのですが、重々わかっていても、簡単でない人には簡単ではないことなのです。
そういう人は、そうであってはいけないほど自分の気持ちが無視されていたり、非常識な年数に渡り一度も意思表示していないことを、自覚するところから始めてみましょう。
心理ハック 迷ったときのあみだくじ
葛藤と決断についての心理ハック。面白かったので、紹介します。
迷ったらあみだくじをやってみる
決められない2つ以上の選択肢について、あみだくじを作ってみて、まずは「ご託宣」を得ます。そこから先は、引用より。
見て、安堵したのか、がっかりしたのか。この反射的に湧き上がった感情こそ、あなたの心の奥底にある答え。
ホッとしたなら、そのまま進むべきですし、少しでも納得がいかなかったり、がっかりしたのなら、選ばれなかったほうの答えを望んでいるということがわかります。
「選べないときに自分の深層心理を知る方法」
効用 決めた後の気持ちが少しわかる
心理学的な意味はふたつあるでしょう。
ひとつは、人の心は何でも必然的な結論だと思いがちなところ。つまり、あみだくじによる結果でも、何か必然的な結論のように見えてしまうため、それが「心の底で望んでいない選択」だった場合、ショックを受けるのです。
もうひとつは、そういうショックを受けることで、選択後の気持ちがシミュレートできるところ。「後悔先に立たず」と言いますが、後悔をあえて先に立たせてみるといったらよいでしょうか。