心理ハック
108 『影の現象学』(最終回)スターとトリックスター
河合隼雄氏の『影の現象学』を取り上げるのは、本日で終わりといたします。
さて、結局のところ「影」とはなんでしょうか?ユングの答えによれば、影とは「無意識の全体」です。この考えは、おそらく妥当なところでしょう。
107 最上位「ロボット」の人生
私は今、千葉県のあるホテルでこの文書を書いています。そこで、少し以前にお話ししたことを、思い出しました。「予測」に関する話です。
私の論において、「予測」は最上位「ロボット」のなす行為です。ところで、私達はごく短い期間をのぞくと、「最上位「ロボット」」として、生活を送ってしまっています。私の考えの中では、最上位「ロボット」よりも「偉い」のが「私」なのですが、その「私」が覚醒する時間というのは、人生においてそんなにはないようなのです。
106 トリックスターとアイデンティティ
思春期というのは、何かと「厄介な時期」とされます。何かとというのは俗に「アイデンティティの確立」という課題を、この時期背負いがちだからなのですが、この「アイデンティティ」がそもそも何を意味しているのか、私はいまだに納得のいく説明を聞いたことがありません。つまり、「確立」をめざせと言われながら、あるいは「確立」をめざそうとしていながら、実際には何をめざしているのかが、よくわからないのです。
私の知人は、アイデンティティをもっぱら、社会的な認知に置いていました。そういう考え方もあるでしょう。しかしたとえば私が、「カウンセラー」としてアイデンティティを社会的に確立し、毎日一定の人に「必要とされ」て、その収入によって人の世話にならずに生きて行けたとします。
105 道化の特権
今日は、「道化」(トリックスター)という概念について、お話しします。
日本において、道化の活躍はよく見られます。特徴も、ほとんどの人がよく知っています。馬鹿なことばっかりやっていて、妙に騒々しくて、また挙動が軽々しく、人、特に最近はやりの「サムライ」をからかい、「重鎮」の怒りを買い、ぶっ飛ばされたり、刀を振り回されたりする、「小男」です。
104 「最近のもの」から整理する
片付けがそう得意でないという人ほど、「完璧主義」だったりします。今回のテーマにおける「完璧主義」とは、完璧に整理整頓を成し遂げようとする人のことです。
例えば写真の整理があります。完璧主義者にとっては、古い写真から、完璧に整理したいものです。時間順、旅行先別、人物別、といくつか整理の基準はありますが、どれを選んでも、なかなか完璧とはいかないものです。