心理ハック
やる気を出すための33の方法
- 席を立って水を飲む
- 10分仮眠してみる
- 握力トレーニングを一握りする
- 名言集を読み返す
- 「がんばれ」と自分に言ってみる
- 自分をよく言ってくれるメールを読み返す
- やることを他人に宣言する
- ごほうびを用意する
- 罰を用意する
- タイマーをセットする
- タイマーをスタートする
- タスクリストにチェックをつけてみる
- タスクリストの名前を変えてみる
- タスクリストの順番を変えてみる
- できるところからやってみる
- タスク後にイベントを入れる
- 唐辛子をなめる
- メールの自動チェックをオフにする
- オフラインになる
- ラップトップをもって喫茶で仕事をする
- やりたくない理由を紙に書く
- やりたかった理由を思い出してみる
- 仕事の時間あたりの単価を計算する
- 「やる気が出ない」でググる
- やるべきタスクを全部Googleカレンダーに入れてみる
- いいわけをすべて書き出してみる
- 1分だけやってみる
- いますぐとりかかる
- やる気になる音楽をかける
- アメをなめながらやる
- ガムをかみながらやる
- タスクを分解する
- むりやり笑顔になる
知的生産のための心理学
このブログのテーマは、「知的生産のための心理学」です。本当に今さらなのですが、改めてテーマの確認などをしてみたいと思います。
このようなことをしようと思った直接のきっかけは、セミナーです。セミナーで繰り返し自分の活動を説明しているうちに、説明がこれまでも不足していたし、依然として不足したままだということに思い至りました。
心理学→ライフハック
よくよく考えてみると、どうして自分が今のようなことを考え、要請に応じて人に説明して回っているのか、不思議といえば不思議なことでした。しかし私には大分以前から、「精神の上手な使い方」と「精神の上手な使い方を誘導してくれるような方法や道具」に興味をかき立てられるところがありました。
大きな要因の一つに、慢性的な皮膚病患者であったこともありました。私の病気の大きな特徴の一つに「かゆいこと」「かくこと」があって、かかなければ治る、というわけにはいかないにせよ、かかなければそう悪化しない、ということはありました。
そして非常に考えさせられることに、同じ皮膚なのに、かゆいときとかゆくないときがあって、私は幼い頃よく、「心理的な操作によって、肌をかゆくない状態に保てないか?」と思いました。すっとする塗り薬に頼ることもよくあったのですが、「すっとする」のはある意味感覚だから、何らかのトレーニングで、すっとする感覚を再現できないか?とも思いました。
というのもごくたまにですが、夢の中で塗り薬を使っていることがあったのです。その時も、ちゃんと「すっと」しました。後ほど目が覚めてみるとこれは夢だったので、つまり肌に何かを塗ることなしに、塗り薬を塗ったのと同じ感覚を得ることは、可能だったということになります。それが脳の何らかの活動の所産であるなら、それを意識的に再現することによって、塗り薬を使わずに塗り薬を使った感覚を再現できるのではないか、と思ったわけです。
基本的には、これが、「精神の上手な使い方」のイメージです。こういうことを知るためには、やはり心理学の知識を追求するのがいいだろうと思って、アメリカに行きました。残念ながら「かゆくならない心理操作」も「夢をコントロールする」こともできるようになりませんでしたが、心理学的な知見のいくつかは、たしかに「ライフハック」となりうることがわかりました。
ライフハック→心理学
もうひとつの、「精神の上手な使い方を誘導してくれるような方法や道具」を心理学的にとらえてみるというのは、この仕事を始めるようになって以来ずっと続けている思考法です。ここではまず、「仕事術」に類するものがあって、そこに「心理学の知見」が当てはめられないか、と考えるわけです。
もちろん私などがこういうことを考え出すずっと以前から、こういうことをしている人はたくさんいました。たとえば『「超」整理法』の中で野口悠紀雄教授は、ファイルを時間順に整理することが、「短期記憶」の観点から見て、理にかなっているというような話をされています。
たとえば行動科学の知識をそのまま実生活に応用しようという話(心理学→ライフハック)とは逆に、この種のライフハックを心理学的に分析する考え方(ライフハック→心理学)は、不要といえば不要なものです。心理学的に妥当であろうとなかろうと、ライフハックスが有用であれば、それで十分なのですから。
とはいえ心理学という学問は扱う範囲があまりに広く(学際的)、熟語に心理学とつければ新しい分野ができると揶揄されるほど(「社会」心理学、「経済」心理学、「生理」心理学、「教育」心理学、「産業」心理学、「スポーツ」心理学、「コミュニケーション」心理学、「犯罪」心理学、「女性」心理学・・・)大きな目で見れば、「ライフハック」というフィルターを当ててみることも、面白いのではないかと思っています。
第5回 マインドハックス研究会開催のお知らせ
7月27日(月)に「第5回 マインドハックス研究会」を、渋谷で開催いたします。今回は、やや変則的で、「不安」「ゆううつ」「ストレス過多」などに関しては、第4回の続編となります。したがって、この部分については、第4回に出席された方の方が、話がわかりやすいかと思われます。ただし、それ以外のテーマについては、独立させて行います。今回もまた、ご出席の皆様全員に、ちょっとしたプレゼント(マンガ)がございますので、お楽しみに。
研究会の趣旨
この研究会では、「日常の中の心理学」とか「ビジネスに役立つ脳科学」というものは、どういう発想に基づき、どの程度信頼していいものなのか、そんなことについて皆さんと一緒に考えていきたいと思っています。
あわせて、「うつ」や「不安障害」、「ストレス反応」などの話題が急に増えている昨今、「ストレスマネージメント」でできることは何なのか、その実践方法なども、紹介する予定です。
※この研究会はカウンセリングがテーマではありません。また、私はカウンセラーではありませんので、その点はご注意ください。
お申し込み
・お申し込みは、こちらのお問い合わせフォームから、お願いします。
※「マインドハックス研究会参加希望」とコメント欄にご記入ください
タイトル マインドハックス研究会
主催:佐々木正悟
協力:あすなろBLOG(パソナテック)
日程 7月27日(月) 19:00-21:00【開場は18:30】
場所 パソナテック本社(渋谷) セミナールーム(地図)
定員 18名【定員になり次第、〆切とさせていただきます】
費用 4000円タイムテーブル(予定)
18:30 開場
19:00 スタート
・心理学から見た「不安」と「うつ」(第4回に続く)
・メンタル+ライフハックス
・フロイト×神経科学=?
・質疑応答
21:00 終了
※こののち、懇親会(会場別。今回は開催します)
目標達成を自動化する7ステップを検討する
▼参考 zenhabits – Autopilot Achievement: How to Turn Your Goals Into Habits
http://zenhabits.net/2008/06/autopilot-achievement-how-to-turn-your-goals-into-habits/
「同じ行動を3週間続ければ、それは習慣となる」と大昔に言ったのは、アメリカ心理学の父、ウィリアム・ジェイムズです。アメリカで心理学をかじった者として、ジェイムズに敬意を払わずにはいられませんが、「3週間」に関して言えば、少なくとも私には適用不可でした。つまり、3週間は続いたものの、ぜんぜん習慣として根付かなかったことが、私に関しては少なくとも8つあります。
それはそれとして、「英語の勉強」だとか「ブログの手入れ」だとか、ことさら「ゴールを目指す」ことなく、呼吸をするように習慣化できれば、と思うことはたくさんあります。今回参考にした zenhabitsには、とても手際よく「目標達成のための行動を習慣化する方法」がまとめられていたので、これをどれほど頼りにできるか、ちょっと検証してみます。
1.あなたのゴールを可能な限り明確化せよ
見通しがよくなればよくなるほど、ゴールの達成は容易になる
字面だけを追うと簡単に信じてしまいそうですが、私はここで疑い深くなってしまいます。「目的を明確化せよ!」と類書にもよく書いてありますが、私にとってこのアドバイスが功を奏したことは、あまりありません。この点は、また後ほど考えましょう。ここが簡単に納得できる人は、私のことは無視してください。
2.ゴールに至るまでのステップを、とことん考え抜け
それはたくさんあるはずだ
私は実は、これについても懐疑的です。1に対する態度からして、当然そういうことになるわけですが、そんなにたくさんのステップを考え続けていたら、それだけでやる気を失ってしまいそうなのです。これは拙著によく書く「見通しがないとやる気が続かない」と一見反するようですが、それについても後ほど。
3.ゴールに達するための行動は、どの程度の頻度で発生する?
これを明らかにせよ
これは非常に重要です。私はこれだけで「習慣化」したりデッドラインを守ることがほとんどです。
つまり、ある行動が「目標達成」に結びついているとして、その行動は「いつ」現れるのかということです。煙草をやめたいのであれば、煙草を吸いたくなる「まさにその時」だけに何かができればいいわけです。ですが、そう考えるとすぐ続いて「ではいつ煙草を吸いたくなるのか?」という問いが発生するはずです。
そのように考え続けていくと、結局新しい行動を習慣化できるかどうかは、それに関わる他の生活習慣と密接に結びついていることが見えてきます。それら他の習慣をカスタマイズして新しい習慣を導入できるようにしない限り、なかなか新しい習慣は根付かないものです。
4.期限までに目標を達成するには、一度にどのくらいやる必要があるかを割り出せ
これもとても大事です。もちろん、一度に達成する量と、目標到達にかかる時間とは、反比例の関係がありますから、一度にやる量を増やせば増やすほど、短期間で目標に到達できることになります。そう思って挫折する例も、たくさんあります。
ただ逆に、一度にやる量を節約すればするほどいいかといえば、そうもいかないものです。「英書を一冊読むぞ!」と決めて、毎日一行ずつでは、達成感が乏しく、継続意欲が萎えるかもしれません。
この「最適値」を見つけ出すことは、「習慣化」の鍵になります。
5.達成する目標は1つに絞り、それに集中せよ
これも絶対そうした方がいいのですが、なぜか2つも3つも一気にやろうとするのが人間です。4とよく似た問題です。zenhabitsでは、他の目標のことは、少なくともひと月空けてから取りかかるように、とアドバイスしています。
6.1つ以上の目標があるなら
一月後に2つめ、さらに一月後に3つめというようにやること
しつこくこの話が続くのは、それだけ私たちが欲張りだということでしょう。なぜ、2つも3つもやるとまずうまくいかないかというと、これは3でした話に関係するのです。新しい習慣は、古い習慣の中に入ることになりますが、1つでも生活に混乱をもたらしますから、排除する力が働きます。それが2つでは、とてもうまくいかないわけです。
7.必要な習慣化が根付けば、目標達成は半自動的に成し遂げられる
このステップ7は、実はステップ外の話に思えます。認知心理学的に言うと、習慣化において、特に思考や身体技術に関する無意識化を、「オートマティゼーション」と呼びます。
ただ、私はこのステップ7の言い方に若干違和感があって、習慣化された「行動」はたしかに半自動的に行えますが、だからと言って目標達成が、果たして半自動的に行くだろうか、という気がしています。たとえば私はタッチタイプを半自動的にできますし、思考も半自動的に進みますが、それでも原稿を半自動的に仕上げられるわけではありません。原稿を書くのももう何年も続けていますし、習慣化もできていますが、しかし「半自動的」という感触とはちがうのです。
ここで1と2への疑問にもどるのですが、私自身の考えでは、やる気や衝動で行える行動は、短時間しか持続しない、と思っています。そのため、あまり遠い目標を意識しても、そのことが私の推進力にはなってくれないのです。もっと私の行動力は、目先の目標へと向かいがちです。
そのため、ドミノ倒しのようにしか駆動できない私の行動力から、特定の目標をたしかに達成するためには、「半自動的」とか「無意識的」ではダメで、たえず意識的に軌道修正をかける必要があります。行動のある種の部分は、まぎれもなく習慣化できますし、そのメリットは極めて大ですが、目標達成を習慣化の結果として得るというのは、最近はあきらめるようになりました。
あるいは、軌道修正も習慣化に組み込むといえばいいかもしれませんが、これも少し違和感があります。
このように言ったからといって、zenhabitsに難点を感じているというのではありません。このステップリストは、非常によくまとまっていて、大変使い出があると思います。この人はおそらく、恐ろしく細部まで徹底できる人なのです。私は少し性格が違うため、ここまでやるとモチベーションを失うので、ここまでやらずにいるという話にすぎません。
自分の時間消費行動を確認する
Toodledoには、Statisticsという項目があります。自分のタスク管理、実行状況を、簡単な統計データとしてまとめてくれるのです。私の場合には、それほど頻繁に使う項目ではありませんが、時々見返してみると興味深い発見もあります。
興味深い発見とは、自分で思ってもいない行動をとっていながら、その行動についても、認識が間違っているところです。
たとえば、タスクに使っている時間について、円グラフで示してくれるのですが、このグラフを見ると驚くことが結構あります。
思いのほか休憩を長く取っているのはいいとして、(これには睡眠時間は入らない)、思った以上に時間をとっているつもりでいて、実は存外使っていない項目があります。こういう項目は、少々問題です。
というのも、時間を使っているつもりでいるということは、そのタスクに多少とも疲労感を感じているからです。実際、その項目を見ると、取りかかるのに躊躇します。ということは私の場合、「時間がかかりそうだ」「疲れそうだ」と考えているのです。
が、一定期間で統計を取ってみると、それに取り組んでいる時間は思った以上に少ない。だから、「時間がかかりそうだ」と思い込んでいるのは間違っていますし、そんなに短い時間で、そんなに大変に思うというのも、おかしいといえばおかしいのです。私の仕事の特性からすると、タスク自体で苦しんでいるとは考えられません。
そこには、他の精神的苦痛を引き起こす要因が潜んでいると考えられます。ただそれを自覚できずにいるから、「時間がかかって苦しんでいる」という記憶になってしまっているのです。
このことにもっとも詳しいのは下記の本で、私はよく読み返すのですが、タスクシュートやToodledoを利用しながらこの本を読み返すと、なるほどナアと感心させられます。
▼タスクシュートのダウンロード
http://cyblog.jp/modules/mydownloads/viewcat.php?op=&cid=1
▼Toodledo
http://www.toodledo.com