旧ライフハック心理学

心理ハック

193 心理ハック~心の凹んだとき、ポンッと元に戻すための3つのやり方~

先週の続きです。実は、先週も同じテーマで、ただ「解決」としての4つの「考え方」は、アメリカの心理学系サイトからの引用でした。

今日は私自身の、実践していることを紹介しましょう。

その前に、「心が凹む」とはどういう事か?と質問されるかもしれませんが、ほとんどの人はご存じでしょう。先週は次のように書きました。

苦手な人から「学ぶ」という姿勢について説かれることは多く、それは理想的なことですが、実際「ガツンとやられて凹んだ」時には、「学ぶ」はさておき「応急措置」が必要になります。

脳生理学的に、「心が凹んだ」状態について考えてみると、「凹み」の程度にもよりますが、感情に深く関わる大脳辺縁系と、特にネガティブな感情と関係の深い、扁桃体(扁桃体)が興奮していると、とりあえずは予想できます。

それに加え、時折指摘されることですが、どちらかといえば(左脳に比べて)「悲観的」な「右脳」が優位な状態にありそうです。巷の本で見かける、「左脳」対「右脳」という分け方は、あまりに極端すぎますが、どちらの活動が活発になっているかで、気分のあり方が大きく変わる人はいます。

「右脳優位」→悲観的な状態
「左脳優位」→楽観的で前向き

きわめておおざっぱな区別ですが、とりあえずこう理解しておき、先へ進みますと、「心が凹んだ」状態は、「右脳優位」と仮定できますから、これを「左脳優位」に切り替えるようにすれば、傷ついた心への「応急措置」としては十分でしょう。

で、次にどうやってそれを実践するかですが、私のやっている方法は、次の3つのいずれか、あるいは(ひどいときは)全部です。

1,対戦型スポーツ(テニス)に没頭して「左脳」を活用
特に大脳新皮質の運動野、および小脳で姿勢のバランスを取るようにすると、自然と脳内血流は、そちらへ向かうでしょう。同時に、辺縁系、特に扁桃体の活動は、抑制できると期待できます。また「試合」は「直線的」に進行するものですから、「左脳優位」となっていくでしょう。要するにゲームに没頭することで、気持ちが鎮まります。

2,近い将来の計画を立てることで「左脳」を活用
オフィスなどでは、「対戦がスポーツ」に興じたりはできません。そこで私は職場では、「近い将来の計画」に没頭して、「心の癒し」としていました。1で述べたとおり、「右脳」と比べて「左脳」に得意なのは、直線的な思考様式です。A→B→Cというふうに「左脳」は目的的で、「前向き」なのです。やや時間がかかるものの、自分の未来の時間を充実させる「計画」を立てるのは、楽しいものです。心を癒すのが目的であって、必ずしも計画を遂行しなくてもよいのです。

3,「絶対に楽しめることリスト」を開く
これは、日頃から準備しておく必要があります。百式さんのcheck*padなどで、リストを作りましょう。たとえば私は、浦沢直樹さんの『PLUTO』の最新刊(第4巻)は、まだ全部は読んでいません。絶対に自分が楽しめることが分かり切っている本は、将来、イヤなことがあったときのために、とっておいてあるのです。このようなリストを日頃から少しずつ「貯金」しておくことで、かなりイヤなショックにも対応できます。場合によっては、それを「開く」楽しみを想像するだけでもOKです。

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192 「禁止する」ことと「やめる」ことのちがい

いつかこの本について書こうと思っていたのですが、なぜか「先送り」になっていました。

この本を読んだとき、私は禁煙を志していたわけではないのですが(喫煙の習慣がなかったので)、私が言いたかったことが「エッセイ風」に語られていて、面白い本だと思いました。

私が読む限り、「禁煙セラピー」のメッセージはただ一つ。それは、

「禁ずる」ことは難しいが、「やめる」ことは容易である

というものです。

「依存症」まで行ってしまった場合、著者のアレン・カーの意見には、賛同できない点もあります。が、「あっさりとやめてしまえば、やめられる」という指摘は、非常に重要なポイントを含んでいます。

たとえば、「甘いもの」を自分に「禁じて」いるとき、私は「甘いもの」のことを「意識」して、「覚えて」おく必要があります。意識し、覚えていながらしかも、口にしてはいけないのです。

一方で「甘いものを食べるのをやめる」のであれば、甘いものではない食事を取ればよい、ということになります。この言い方には、とうてい納得がいかない方もいらっしゃるでしょう。それでも、私が砂糖を含む、果糖、アルコールその他一切を口にせずにいられるようになったのは、この「コツ」をものにしたからなのです。

つまり、「衝動」というものは、つねに「衝動の対象」とワンセットなのです。「対象」(たばこ、チョコレート、ワイン、美男美女、等々)を「意識」すると、決まってその「対象」へ向かう「衝動」が飛び込んできます。「衝動」と戦うのは、ご存じの通り難しい。「衝動」と戦い「続ける」のは、ほとんどの人にとって不可能です。

だから、「衝動」とは戦わないことです。そのためには、「衝動」を必ず連れてきてしまう「対象」を意識に入れないことです。私が、2007年1月23日のNBO記事で

 「欲求」に従って物を食べたり、買い物をしたり、お酒を飲むのは健全なのですが、「衝動」に乗るのは危険です。特に、「禁止」→「衝動の解放」→「禁止」→・・・というパターンに入ったら、要注意です。

http://blog.nikkeibp.co.jp/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/115535

と書いたのは、以上のことを念頭に置いていたわけです。

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191 新連載・心理哲学談話-Mental Philosophy Logue-004

「現実」の価値

先週の終わりに、

次週から「心理学」のお話しへ移ることになるわけですが、実はまだ、「物理学」の「決定論」が片付いていません。(カントの力を借りて、「ニュートンが正しいかどうかは、わからない」と強引に頭を切り換えたに過ぎません)。ニュートンの「万有引力」はその後もずっと何かと影を落とすのですが、その話は時折交えつつ、アメリカ留学中に考えていたことを、次週からはお話ししたいと思います。

と、書きました。しかし本日は、渡米の直前のところから、話を始めることにします。

(さらに…)

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189 小説の中の人間心理~天の邪鬼(あまのじゃく)~

この心持を哲学は少しも認めてはいない。けれども、私は、自分の魂が生きているということと同じくらいに、天邪鬼が人間の心の原始的な衝動の一つであるということを確信している。してはいけないという、ただそれだけの理由で、自分が邪悪な、あるいは愚かな行為をしていることに、人はどんなにかしばしば気づいたことであろう。人は、掟を、単にそれが掟であると知っているだけのために、その最善の判断に逆らってまでも、その掟を破ろうとする永続的な性向を、持っていはしないだろうか?

ポー『黒猫』

ロシアのドストエフスキーと、アメリカのポー。文化的傾向も、気候などの環境も、ああも違っている両大国にあって、この二人は妙に似た「こだわり」を持っているようです。

上記のような「天の邪鬼」的心情は、大変子供っぽいものでありながら、たしかに哲学であれ、心理学であれ、あるいは経済学であれ、学術的に明らかに出来ているとは、言いがたいものです。

心理学で有名なのはなんと言ってもフロイトの、「快楽原理」。人は、快楽を求めて生きているのだけれど、社会情勢や、社会の「掟」がそれを許さないから、無理に抑え込もうとして云々…。けれども、苦痛を覚えることに好んで突き進むことがあるのが、人間です。苦痛に快楽があるのでしょう。しかし、苦痛のない快楽がありながら、わざわざ苦痛に進む理由を、「快楽原理」ではうまく説明できません。

一方で、行動主義は、アンチ・フロイトとして心理学のもう一方の柱となったわけですが、そこでは人は「エサ」を求めて「罰」を逃れようと努力する、だけの生物となっています。人が「罰」(苦痛)へ進むということをやるとなると、全然不十分な理屈になってしまうのです。

要するにフロイトといい、行動主義といい、人間をかなり合理的な存在とみなしているのですが、人間の不合理を考慮に入れなければならないと、両者の理論は屁理屈めいてしまいます。経済学は、「効用」(ユーティリティ)という言葉を使うことで、人間の「心理」を勘定に入れた「経済予測」を成立させようと試みていますが、その考え方もあまりに人間を、「合理的」(で計算高い)存在に見立てています。

しかし人間は、他人に「規定」されたり「予測可能」な存在とみなされることを、おそろしく嫌う生き物なのではないでしょうか。これはポー、並びにドストエフスキーのテーマそのものだと思いますが、これこそ教育関係者が苦労する、人間心理の特徴と思われます。

先生「先生の言うことを聞きなさい? その方が最後には、結局あなたのためになるのよ? 」
子供「ふん!」

人は、掟を、単にそれが掟であると知っているだけのために、その最善の判断に逆らってまでも、その掟を破ろうとする

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188 ツール紹介 TaMa.3 Free Edition

■製品タイトル TaMa.3 Free Edition

■URL TaMa.3 Free Edition
http://www.vector.co.jp/magazine/softnews/061017/n0610172.html

■カテゴリ プロジェクト管理ソフト(フリーソフト)

■機能 プロジェクト管理

■ストロング・ポイント By Shogo
・複数のプロジェクトを並行して管理できる
・プロジェクト管理のために思いついたアイデアを、ここへ集中できる
・ウィンドウズで見慣れたエクスプローラライクな画面
・若干使いにくさも感じるが、操作は難しくない

■アピール・ポイント By vector
「行うべき作業をわかりやすく整理し、スケジュールを整理する」──ToDo管理ソフトは、社会人として責任ある立場にある人であれば、必須といってもよい。言うまでもなく、この種のソフトは実に多くのものが存在する。

一方、実行すべきタスクを帯状のグラフとして表示し、日付ごとにわかりやすく管理する「ガントチャート」を用いたスケジュール管理ソフトも、ビジネスには必要不可欠な存在だ。

となると「両方の機能をあわせ持つソフトがあれば便利」と誰しも考えることだろう。「TaMa.3 Free Edition」は、まさにその「ToDo管理とスケジュール管理をひとつのソフトでこなしてしまう」ものだ。
http://www.vector.co.jp/magazine/softnews/061017/n0610172.html

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