心理ハック
113 難しいことはリラックスして
「難しい」課題に取り組むときには、もしどうしても取り組まねばならないのなら、どうすればいいか?
私自身、小学校高学年から中学校初年度の頃に、よくこんなことを思ったのですが、日本の教育において、「ロボット」の使い込みのための時間が、あまりにも割かれていなさすぎるようです。できるに決まっていることをやることが、人のプライドを満足させるのです。子どもが、ゲームの簡単な面をクリアして、得意になるのはそういうことです。
運転も、免許を取り立ての頃に、やたらとドライブに行きたがる人が多くいます。水泳も同じです。ピアノなどで、初心者の頃に、次々に新しい課題を用意されると、いやになるものです。
「ロボット」のない作業は、苦痛なものです。先生やコーチは、ロボットを駆使させるのが商売ですから、なるべく早い段階に、たくさんの「ロボット」を備えさせようとします。しかし、挫折するのはたいていここです。一通りの「ロボット」が備わる頃には、うまくなってきて、面白くなっていますから、むしろ止められなくなるものです。
現に学校でも塾でも、「最初」ほど厄介なのに、最初ほど厳しかったりします。そして、ひどい場合には、いつまで経っても「最初」のままです。できるようになったことはあまり繰り返さず、できないことばかりを新しい課題として、要求されるからです。
「できないこと」とはすなわち「ロボット」を持っていないこと。これに取り組まなければならない場合には、「ヤーキー・ドットソンの法則」によりますと、「とことんリラックスして」取り組むべきです。
112 宝くじは買わなければ当たらない
本日は、『仕事は楽しいかね?』の本題へと入ります。一言で言うと、私がこの本によって読み取ったメッセージは、
「成功とは偶然の産物である」
というありきたりのものです。
111 進化の法則と人生の法則
タイトルがえらく仰々しいのですが、私は『仕事は楽しいかね?』全体のテーマを、一言で言うなら、ダーウィニズムを人生に適用せよ、ということだと思います。
そういうわけで、今後、話を進める上で欠かせないため、ダーウィンの進化論をごく簡単に述べておきましょう。いちばんいいのはやはり、「キリンの首はなぜ長いか?」です。べつに、キリンの首でなくとも、「ヘビはどうしてニョロニョロしてるのか?」でもいいのですが。
110 「ロボット」の成長が止る
すでに古典と言っていい1900年代の、有名な心理実験があります。「ヤーキーズ・ドットソンの法則」と言って、ネズミを使った実験なのですが、簡単に言うと「程よい緊張感で、最高のパフォーマンスが得られる」という法則です。
気が抜けすぎていては何事もまともにやれませんし、緊張しすぎていては、失敗のもとです。これをグラフ化し、覚醒レベルを横軸に、演技のできばえを縦軸にとりますと、覚醒レベルとパフォーマンスの関係は、逆U字の関係になります。
眠りに落ちる直前の状態を、覚醒レベルゼロとします。ここで運転をさせると「居眠り運転」となり、パフォーマンスレベルも最低です。
この反対に、「頭の中が真っ白に」なったような状態を、「過覚醒」と呼びましょう。超・緊張状態です。この状態のパフォーマンスもやはり最低です。
そして最高のパフォーマンスは、その中間のどこかにある、ということになりますから、逆U字の関係というわけです。
109 デイル・ドーテン『仕事は楽しいかね?』
少し悩んだのですが、昨日まで心理学の中でもフロイトやユングといった、かなりクラシカルなところを選んで参りましたから、今回は思い切って現代的な方へいってみます。
デイル・ドーテンの『仕事は楽しいかね?』は薄い本ですし、一時相当話題にもなりましたから、すでにお読みの方も多くいらっしゃるでしょう。その意味からも、わざわざメルマガやブログで取り上げる利点があるかどうか、悩んだわけです。