旧ライフハック心理学

心理ハック

盟神探湯と心理学

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「心理学の方法」というのは人に説明しにくいのですが、正否のほどはともかくも「嘘発見器」というのはあるいみ「心理学的な方法」のイメージに近いと思います。それによってウソが見破れるかどうかといったこととはべつにしてです。

嘘発見器という発想自体が、心理学の実験の仕方と似ています。心理学は「相手の心理を読む学問」ではないのです。同じように「相手のウソが見破れる」のであれば嘘発見器など必要ないはずです。

血圧を測定したり、手のひらの発汗を測定したり、脈拍を測定するということは全て、ある心理的な行為にともなう身体反応を測定するということです。すなわち「ウソをつく」という行為に「必然的」(とされる)にともなう生体反応をモニタリングするというわけです。

少女マンガに時々あるような点点点の中身を読むようなことはできません。少なくとも心理学者では無理です。

その少女マンガで知ったネタなのですが「盟神探湯(くかたち)」というものが古代の「嘘発見器」として使われていたという話があります。私は古代史などはまったく詳しくないので「盟神探湯」なんて読めもしませんでしたが山岸良子さんのマンガを読んで知りました。

「盟神探湯」について詳しい説明をするのは少々手間なので、ウィキペディアから引用します。

対象となる者に、神に潔白などを誓わせた後、釜で沸かした熱湯の中に手を入れさせ、正しい者は火傷せず、罪のある者は大火傷を負うとされる。毒蛇を入れた壷に手を入れさせ、正しい者は無事である、という様式もある。あらかじめ結果を神に示した上で行為を行い、その結果によって判断するということで、うけいの一種である。
類似の方法は日本に限らず、ヨーロッパなどの神明裁判でも行われた。
盟神探湯 – Wikipedia

この支離滅裂な方法がどうして「嘘発見器」として機能するのか。手のひらの発汗をモニタするのもどうも信頼できそうにありませんが、この「盟神探湯」よりはましでしょう。

ウィキペディアにはこういう疑問への回答も掲載されています。

科学的・合理的に見れば全く無意味な方法であると解説される場合もある。しかし科学的に全くの荒唐無稽という訳ではない。ライデンフロスト効果により、湯の中に入れた手と湯の間に層ができ、その結果手に温度が瞬時に伝わらず、火傷を回避する事は不可能ではない。ただし落ち着いて穏やかに湯の中に手を入れ、出すのが条件である。”真犯人”であれば、恐怖のあまり手が震え、層が破壊され、温度が手に直に伝わって火傷する事となる。つまり現代で言うところのポリグラフである。

かなり「解釈的」ではありますがいちおう論理的に見えなくもなくなってきました。ただもうここまで行くと「心理学的な方法」とすら言いがたくなってはきます。それでも依然として人間心理に迫ろうとしています。

「心理は読めない」にしても「ある心理にともなう反応を見る」ことはできるというのが心理学的な方法のベースにあるわけです。もちろん特定の心理に特定の反応(行動)が100%現れるわけではないでしょうが、90%現れれば偶然とはいいがたくなる。考え方は統計学的です。心理学の実験解釈はだから多くが統計学によるのです。

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すべてを手元で済ませる

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この機能は使う度に紹介しようと思っておりながら結局紹介せずに来たため、先日開発者の大橋悦夫さん自らに紹介されてしまった。しびれを切らされた格好でした。

Taskchute2の独特の機能なのですがTaskchute2には実にこうしたタイプの機能が多いのです。大橋さんが「できるだけ手元で便利にすませよう」という発想の持ち主であることがよく分かります。

私は以前から「レビュー」という時間を設けるのが好きではありませんでした。いかにも「改めて」感があったのです。こんなにログをとっているのですから記録を振り返る意義はよく分かります。しかし「ではこれからログを見返しましょう」というのはなんだかしっくり来ないのです。

あえて今度の書籍のタイトルを「記録する「だけ」で・・・」などとしてみたのも、いざ何かを思い返したいと思っても記録がないと実に困難になりますよ、という点を強調したかったからなのです。

Taskchute2のこの「検索入力」という不思議な機能についてはまたシゴタノ!でも紹介しますが、要するにいつ過去のログを探して回りたくなるかという点がよく考えられているのです。「かゆいところに手が届く」とはまさにこういうことです。「かきたくなる」のは「かゆい」ときだけです。

「先週の今日、43フォルダをゼロにしたときには、いつ頃何分かけっけ?」ということを元にして今日「類似の作業」を入力したくなるということがたしかに時々あるのです。そういうときエクセルの「検索」を使えばいいようですが、「先週のログ」はずっと下の方にいってしまっているのです。それをコピーして戻ってくるのが面倒な感じがするのです。

そんなときにこの「検索入力」という機能を使うと、検索した内容をタスクに入力してくれるのです。その結果表現揺れが避けられる上に検索して戻ってくるという手間が省けます。またとんちんかんな見積もり時間を入力せずにすみます。その上いつ頃やったかも分かるわけです。

こうしてTaskchute2は手元から精度が高まっていきます。不思議なくらい自分のことがよく反映されていて、不思議なくらい自分は似たような行動を日々とっていて、不思議なくらいそのことを忘れているということにも気がつくのです。

▼Taskchute2のページはこちら
タスク管理ツール・TaskChute2 (C)

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タスクリストは「合理的な命令書」

特別な趣味でない限り「命令が好き」という人は少ないでしょう。だから私は「タスクリスト」というものがそれほど好きではありません。その全てがではないにせよ、少なくともそのうちのかなりのものは「過去の自分が同意したために今しなければならないこと」になっているからです。

GTDにも「次にすることを明らかにする」という命題があります。私もこれに同意です。およそタスクリストに「選択の余地があふれている」というのは好ましい状態ではないと思います。どんなに選択の余地があっても「どれもやりたくない」という時には意味がないからです。

むしろタスクリストというのは合理的な命令であるべきです。

「今これから2時間かかるうんざりするようなタスクに手がけたとしても、その結果定時退社できるわけでも素敵な誰かが褒めてくれるわけでもない。にもかかわらず今すぐそれをやるのが最善である。疑問の余地はまったくない」。

こうでないと私はそんなタスクに手がけるとはとても思えないのです。

・今すぐドーナツを食べながらコーヒーを飲むのOK
・新しい映画を誰かと一緒に見に行ってもいい

・ところで「2時間かかるうんざりするようなタスクに手がける」という選択肢もあります

この状況でタスクに手がけることを選択するには相当の「意志力」が必要です。いつもいつもそういう精神力に期待して仕事するというのは、とても危なっかしい感じがします。

「命令書」は自分で作り、その合理性を明らかにする


ただタスクリストは「命令書」であるべきだとは思うのですが、その「命令書」を作るのは自分でなければなりません。これが本当の命令書になってしまうと人は「選択権がなくなった」と感じて意欲がくじかれるのです。これはふつうの心理学の教科書でよく指摘されていることです。

「次は時間をかけてでもこのタスクに手がけること」というのは、他に選択の余地はなく、しかし自分が考え抜いた結論でなければなりません。他のことも気になるというようだと「どれもやりたくないけどやらなくてはいけない」という「豊富な選択肢」のせいで時間ばかりが過ぎ去ります。

タスクリストにある「今すぐやること」「次にやること」は選択の余地なく実行処理しなければならない必然性をまとっていなければいけませんが、同時に「それを選択したのは自分だ」という感覚が必要なのです。

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タスクのリネームは効果あり?

はじめのころはちょっとした思いつきに過ぎなかったライフハックに、その後何度もお世話になるという幸運があります。

タスクのリネームがそうです。「このネタはここで見たぞ」などという意地の悪いブクマコメントをされようと、今後もこのネタは使います。だれかの(自分のを含む)先送りが1つ減るなら、ライフハックネタの使い回しなど問題だとは思いません。

それにこのライフハックはけっこう取り上げる意義があるのです。軽視されやすいネタのようで、それなりに効果を発揮するからです。つまりタスクの命名を軽視してはいけないのです。

名称は知覚対象に対する態度を変えてしまう


この種の実験は幅広く行われていますが、最近出た本の著者も行っていました。その方は盲目の女性らしく「識別しがたい色の差異」というテーマを取り扱いました。ご本人には色別もなにも「色」が見えないのです。

実験されたのは「アドーラブル」と「バレエ・スリッパーズ」という二種の色を識別すること。次の二色です。

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Pink


どちらがどちらであるかなどということについては私はなんの興味もないので書きません。興味のある方はリンク先に飛んでチェックしてみて下さい。他にも識別しがたい色がたくさんあります。

これを識別できるかどうかが実験です。ラベルがついていれば、もちろん識別できます。「私はバレエ・スリッパーズの方が好きです。なぜなら……」と説明も始める。

でもラベルがただ「A」とか「B」とかになると、どちらがどちらか分からなくなってしまう。もしラベルが一切ないと「同じ色だ」と判断する人が増える。

そう珍しい実験ではありません。ペプシとコカの瓶を取り替えると「好きだ」といっていた銘柄を裏切る人がたくさんでるという実験もありますし、ビールでもコーヒーでも似たような追試がされています。

大事な点は、単に分かりもしないことをラベルだよりに分かった気になっている可能性だけでなく(その可能性はもちろんありますが)、ラベルがつくことによって識別力が高まる可能性の方です。それもまた十分あり得ることです。私達はカレンダーや時計によって日時識別を補助してもらわなければ、たぶん完全に失う記憶がもっと増えるでしょう。

時間や味と似て、色というのも非常に境界線があいまいですから、ラベルは極めて重要です。

ここでタスクに話を戻すと、プロジェクトの特定の段階や、ある種のタスクそのものというのは、何ともとらえどころない場合がよくあります。たとえば「アイデアだし」とはすなわち何をしているのか。「整理」というのもたぶん人によって解釈の幅がとても広い。

「掃除」「書類整理」「カスタマイズ」「環境設定」。タスクに書き込むときにはやることのイメージがハッキリしていても、翌朝タスクを見てやろうとしたときに、完全に同じイメージを再現することはたぶんできません。めったにやらないことやいろいろな作業を含むタスクでは特にそうです。

よくタスクリストやツールはシンプルなほどいいという意見を聞くのですが、シンプルなツールほど「達人向け」という印象が最近ますます強くなっています。「掃除」とあるだけでやるべきことをいつでもできるという人はすごいです。私だと

●月●日の4時から6時の間7分かけて書棚の1列目の1段目の書籍を全部ブックオフに売るための箱に移す。この作業は3日おきに行うこと。そうしないとホコリがたまって30日以上やらないままになる。そのようなことが過去6回あった

というように表示されていないとやるべきことをやる気がしないのです。そしてこうした識別子を全部タスクに与えられるツールはいきおい複雑になるのです。

今日の記事【外部リンク】

人は何がどうなると「見た目がよくなった」と感じるのか? | | 作家の作業日報 | あすなろBLOG

知っている人は先刻ご承知の通り、私は「見た目」というものにはほとんど頓着しません。「なにもしなくてもいい状態で見た目のいい方がいい」くらいなものです。

したがってこのエントリを読む前にまず考えました。iComptaの見た目をよくするってどうやるのだろう?と。

で、読んでみて「ああなるほどそういうことですね」と納得しました。私はやらないのですが、やってみればこれはそれなりに効果があるかと思われます。



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心理状態を思いのままにするためのマインドハック

・ポータブルプレーヤーで決まった音楽を聴く。
・作業に取り組む。
・これを繰り返す。
・すると、その音楽を聴くだけで、集中力が高い状態になる。

気が進まない作業にすぐ取り組め、瞬時に集中力を高める方法!


久しぶりに非常に正統派のマインドハック仕事術が記事になっていたので紹介します。

これは古典的条件付け(いわゆるパブロのイヌとして知られる)を仕事術に応用したものと解釈されます。

誤解してはいけない点としてこの事例では「音楽が集中を促している」のではないことです。メトロノームの音でイヌの食欲は増しませんね。ブルックナーの作品はこのエントリでは「メトロノームの音」に対応しています。イヌの流す「よだれ」が「集中状態」。イヌのよだれは最初「肉片」によって刺激されています。

エントリ中「集中状態」は「缶詰になって作業に取り組むことで」もたらされています。これに相当する「自然と集中をもたらす何か」を考えて下さい。それと「音楽」を常にセットにするのです。これが「条件付け」と呼ばれる心理操作です。

メトロノームやブルックナーの作品などの「条件刺激」は「音楽」である必要はなく「繰り返されるホワイトノイズ」などでもいいのです。ただその刺激が「いつも集中状態と一緒にやってくる」ようにすればいいのです。

ところで

その音楽は集中したいとき以外は聴いてはいけません。その音楽を聴けば集中するという条件反射を崩してしまうからです。

という注意が入っていますが、この操作は「消去」と呼ばれます。メトロノームをならしても肉片を与えないという作業を繰り返すと、音だけでよだれを流していたイヌもやがてはよだれを流さなくなります。それが消去(学習消去)です。

私には何かこれに相当するものがあるかと問われれば「Taskchute」がそれです。特に「基準日の変更」には完全に条件付けされていて、相当寒い日の朝早くでも「基準日の変更」を行うと原稿を書き出す気持ちになるのですから、まるでイヌのように単純なものです。

たいていの人はブルックナーの音楽を聴いて集中するようにはなりたいでしょうが、Taskchuteで早朝から仕事にとりかかりるような人間にはなりたくないでしょう。手っ取り早くもっといい効果を得る方法として木の葉が風に揺れる音を聞いたときにはいつでもリラックスするようにしてみましょう。

すると木の葉の音を聞くだけでリラックスできるようになり、それと類似の音を聞いたときにも自然とリラックスできるようになります(般化)。

このように古典的条件付けを考えていくと、一般的によくある刺激(たとえば水のしたたる音。今ならビープ音やモーター音)からどんな心持ちになるかで(リラックスできるか不安になるかなど)人生の色合いまで変わってきそうです。

今日の記事【外部リンク】

マシュマロを本当に我慢するためのライフハック | | 作家の作業日報 | あすなろBLOG

私はこれでいいんだと本当に思っています。ただでさえ誘惑と戦っているときに、これ以上のことを精神に要求するのは無理があります。

マシュマロテストという有名なテストが最近ますます有名になったのはいいことです。それにしてもあの光景を見て微笑ましく思ったり笑っている人たちは十分自問してみるべきです。


「最低限しなければならないこと」の見極め方:日経ウーマンオンライン【自分が変わる!生活が変わる習慣心理学】

頻繁に仕事を先送りする人の中には「完璧主義者」が何割かいます。

 一見したところこれは不思議です。なぜ「物事を完璧にしたい!」と思っている人が、仕事をしょっちゅう先送りにしてしまうのでしょう。

 完璧主義者の常日頃からの口癖は、「でも、完璧にしたい!」です。この言葉からすぐに分かることがあります。実は自分でも「完璧にしていたら、仕事が仕上がらない」ということが分かっているのです。それどころか「自分でイメージする完璧なんて、そもそも誰も求めていないのかもしれない」と、うすうす感づいているのです。

「でも、完璧にしたい」のでしょう。


誠 Biz.ID:あなたの不安、見積もります:気になるメモはPostEverで集めてATOK Padに置く

Evernoteに継続的にメモしたい気になるテーマというものがあります。例えば私の場合「タスクをクラウドで管理する意味とは?」などのテーマです。「このお題で本を書いて下さい」と言われた翌日あたりから、ことあるごとにテーマの材料やネタや言い回しなどを頭が勝手に探索開始。野球を見ていてもブログを読んでいても、何かというと「クラウドにタスクを置くと……」となるほどです。



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