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「どのタスクも落とさないタスク管理、7つのコツ」から考えた

小寺信良の現象試考:どのタスクも落とさないタスク管理、7つのコツ
http://plusd.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0906/01/news010.html

すでにひと月もたっていますが、この記事を読んだときはちょっと驚きました。自分のやり方と、あまりにも似ているからです。小寺信良さんというかたは、面識もなく、あのメガネをかけた写真だけはどこかで時々拝見する有名人、程度の認識しかありませんでした。

7つのコツとタイトルにあって、コツがバラバラに配置されているのは意図的なものだと思います。ですから、これをまとめるというのは申し訳ないとは思うのですが、ひと月以上たったことでもあるし、リストアップして紹介させていただきます。

セオリー1:ToDoは使わない。必ず時間に落とし込む。
セオリー2:長期の仕事はセグメント分けして、時間単位までに分解する。
セオリー3:プライオリティは決めない。どうせ全部やるんだから。
セオリー4:手を付ける順序は納期順。納期前に仕上げて、直前に見直す。
セオリー5:1日のうちに同じタイプで別テーマの仕事を組まない。
セオリー6:同じ仕事が続けられるのは、せいぜい4時間。人間いつでも本気が出せるわけではない。
セオリー7:夜、土日にタスクを入れない。実際にはそこがクッションになる。

似ているとはいえ、1〜7まで100%重なる、ということではありません。それではキモチワルイというものです。どこが似ていてどこは違っているかをチェックしつつ、参考にしていただければと思います。

セオリー1:ToDoは使わない。必ず時間に落とし込む。

よくわかります。私もいつも、「時間のかからないタスクはあり得ない」ということで、総タスクにかかる総時間というものを算出できるツールしか使わないようにしています。すると選ぶことのできるツールが激減してしまうのです。

ただし、私の使っているタスクシュート、およびTodoledoは、いずれもToDoとも言えるものです。ここが、おそらくはGoogleカレンダーなどでタスク管理されている小寺さんとは、少し異なります。最初私もGoogleカレンダーに全部入れ込んでいたのですが、

・タスクが増えすぎると見づらくなる
・タスクを増やしすぎてDBが壊れたことがあったらしい
・カレンダーでは「総時間」は結局わからない
・カレンダーの「いつ始める」という情報は余計

ということでやめました。

セオリー2:長期の仕事はセグメント分けして、時間単位までに分解する。

問題はそこから先で、その線表だけを見ながら、自分の仕事をしてはいけない。その線表から自分のパートを、自分のタスクに転換する作業を行なう必要があるわけだ。長期の仕事は、なるべく作業フェーズを時間単位まで分解して、日々のタスクの中に落とし込んでいく。
 実際にそれに基づいてタスクをこなしていくうちに、ペースが見えてくる。その時点で押すのが見えた場合は、他のタスクを調整する必要がある。一見まいているようでも、長期の仕事はいったん押し始めると、積もり積もって巨大な「押し」を発生させるので、まいているときは前倒しで次のフェーズにとりかかる。

セオリー2はわかるのですが、引用したところの説明をもっと詳しく知りたくなりました。「他のタスクを調整する必要がある」のはよくわかるのですが、ここの記述はちょっと抽象的です。実際、私が時間管理に関して書いている本の大半は、この辺を何とかするために書いている、と言えるくらいやっかいなところです。

セオリー3:プライオリティは決めない。どうせ全部やるんだから。

これもそうしています。つまり、優先順位は決めていません。やらないことは、タスクシュートやToodledoに入れないのがルールなのです。入った以上はやること。やらないことは入れない。会員制のゴルフ場のようなものです。

とはいえ、どうしても「やりたいこと」を入れておく必要が出てくるかもしれません。でしたら、1ヶ月後に取りかかることにします。この期間を空けるのには、2つの利点があります。


・取りかかれないタスクをノイズにせずに済む
・やりたかったことでも1ヶ月経つとやりたいという気持ちが薄れていることが多い→やることが勝手に消える

セオリー4:手を付ける順序は納期順。納期前に仕上げて、直前に見直す。

優先順位がないのであれば、当然こうなります。

ただ、私はここまで意志が強くないというか、そこまで徹底できないこともあって、実際にはやりたい方の仕事からやってしまう、ということも多々あります。というより、そちらの方がふつうです。

ですから私には、二重の意味で優先順位はつけません。それをつけても、その時やりたくなければ無視するし、基本は納期というか〆切順なので、つける意味がほとんどないのです。ただ、優先順位をつけた方がかっこよさそうに見えるから、意味なくつけているということはあります。

セオリー5:1日のうちに同じタイプで別テーマの仕事を組まない。

例えば1日に違うテーマで原稿2本、となると、大抵2本目は思うように進まない。前の原稿の思考に引きずられて、頭がうまく切り替わらないのである。もっともこれには個人差があるのかもしれない。

これは非常によくわかります。が、実際にはこういうわけには行かないので、組んでしまっているというのが実情です。例を挙げていえば、『スピードハックス』の原稿書きに60分かけて、次に『不思議の国のアリス』(たとえです。書いたことはないです)を60分書くということになると、書き出しはうんざりというところです。

しかし私は実際にはこれに近いことになっているので、「心を切り替える」ことに全力を挙げます。具体的には、「前にやった心境を思い出す」ために、「前の心境」を原稿の最後に書いておき、同じ音楽をかけ、原稿ごとの参考資料をまとめて用意します。あとは音楽の力を借りつつ、感情を一気にシフトします。あ、やる前に「水を飲む」のを忘れずに。

セオリー6:同じ仕事が続けられるのは、せいぜい4時間。人間いつでも本気が出せるわけではない。

これはすごいです。私はせいぜい50分。短かすぎるかな。なので、細切れにしたタスク処理を、あちらこちらの時間に散らばらせておきます。

セオリー7:夜、土日にタスクを入れない。実際にはそこがクッションになる。

日々のスケジュールは、必ずどこかで破綻する。常に破綻前提で考えておくことが重要である。そしてその押したタスクを、どこかで受け止めるクッションが必要である。

ということは、土日も仕事をされている、ということになるはずです。私は実質そうなっています。無理なく、無理なく、無理なく、無理なく組んでいるつもりなのに、休日を使わないと終わらない。いかに私が私を過大評価していることか。