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運動がストレスに効果的な5つの理由

昨日の記事が「ストレスセルフチェック」でしたので、今日は自然の流れで「ストレス対策」。個人的な経験と、いくつかの「ストレス対策」を読んでみた限り、可能であるなら「運動」という選択肢をとるのが、いちばんいいように思います。

今回紹介する5つの理由は、次の書籍からの引用に近いものですが、本当は本を1冊お読みいただくのがベストです。厚い本ですが、読むのに骨の折れる本ではありません。ありきたりなことが書いてありそうですが、読めば意外なエピソードの連続で、きっと驚かれることでしょう。特に第4章の冒頭の、エイミーのエピソードは引き込まれるので、書店で見かけたら立ち読みしてみてください。

1.気をそらす

身体を動かすと、不安や焦燥感から注意がそれるということは、ほとんどの人が経験しているでしょう。著者によると、たとえば不安障害の人は、どんな気晴らしでも有効ということ。単なるストレスに対しては、明らかに気を紛らわせる効果があるし、多くの人はすでに実感しているはずです。

2.筋肉の緊張をほぐす

過剰なストレスに悩まされている人は、心と体が連動して緊張感を高めてしまう状態にあります。運動はこの悪い連鎖を断ち切る効果があるようです。著者は運動によって「筋肉の緊張が和らぐと不安も和らぐ」と述べています。

3.脳の資源をつくる

これは、運動によって神経伝達物質が増加させられる、という指摘です。その結果、恐怖をおさえる力が増大したり、ネガティブな情動を引き起こす脳の回路を、鎮静させる結果につながる、というわけです。

4.別の結果があることを教える

「教える」というのは、身体が脳に、ということです。たとえばパニック障害と呼ばれる障害では、交感神経系がコントロールできないほど活発になってしまって、心拍数が上がります。その自分の「ドキドキ」のせいで、たとえば「心臓が止まってしまうのではないか」と不安が高まり、いっそう心拍数が上がってしまうという悪循環に陥ります。

しかし、運動をしても同じ事が起こるわけですが、こちらは「起きて当然の結果」であるため、心拍数が上がっても、脳としては落ち着いていられるというわけです。このように、同じ身体症状が発生しても、「これはよいことだと解釈もできる」と思うと、そのことがストレスリダクションに役立つというわけです。

5.自由になれる

身動きができないということは、苦しいものです。私たちは寝ていてもいろいろと体位を変えるように、徹底的に身体を動かせなくなると、そのこと自体がストレスになります。認知心理学に、人は何かを認識できるというだけで、多少は達成感を得ることができるという仮説がありますが、おそらくそれよりも大きな達成感が、たんに身体を動かすことによってえられます。能力を持っているだけではなく、それを発揮することによって、自由になれるということです。