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「記憶HACKS」4つのタイプ

先日もお話ししたとおり、『記憶HACKS』という本を上梓しましたが、つねづね記憶力を伸ばすとか、フォローするといったテーマの本や記事は、おおむね以下の4タイプのいずれかに収まると思っています。

1.記憶力自体を強化するタイプ

誰もがすぐに考えつく方法です。あるいは薬物、または脳トレ。とにかく、衰えたり乏しい記憶力に不満があるなら、それを強化してしまえばいい、というシンプルな発想です。

薬物は日本よりはアメリカの方が入手しやすいので、このタイプの本は翻訳書が多く、脳トレの方は、日本でも大変流行しています。私も何度か取り上げていますが、前者ではやはり『記憶力をのばしたい!』が好著です。著者が専門家でないため、率直に何でも試していて、読み物としても面白いわけです。

以下に2冊の本を挙げておきます。

2.特別な記憶術を紹介するタイプ

脳を「鍛える」ことをせずとも、特殊な「記憶術」を利用すれば、記憶力そのものを高めたのと同じ結果になる。という考え方です。実際、円周率を何万桁も覚えるとか、記憶チャンピオンになれそうな人は、おおむねこの方法を利用されています。

と考えると、効果はありそうな方法です。が、たとえば語呂合わせで英単語を覚えるのには向き不向きがあるように、この手法は、好きになれるかどうかが成果を分けそうです。

3.記憶の性質からこれを補助するタイプ【アナログ編】

記憶力というものの限界や性質を理解し、その弱い部分を外部ツールに頼る、という方法です。まっとうな方法で、たいていの人がすでに実践しています。

なかでも、アナログツールを利用するやり方は、いまだに根強い人気があります。その理由の1つには、「記憶力をツールで補助できる」とともに、「ツールを使うこと自体が、ある程度記憶力を鍛えることにつながる」と期待されているからでしょう。なぜか、デジタルツールを使うより、メモに鉛筆で書いた方が、脳力が鍛えられそうに思えるから不思議です。

4.記憶の性質からこれを補助するタイプ【デジタル編】

残るは、3をデジタルツールで行う方法論ですが、当然今ではわんさか出回っていそうに思うのですが、そうでもありません。というわけで、なければ自分でつくってしまおうという伝統に則って、本を書くことにしました。

もちろん、類書が全くないわけではありません。が、鉛筆で書くタイプの書籍や、脳トレ関係書に比べれば、まったくないに等しい状況です。私としては、1の「記憶力トレーニング」をやりたいとあまり思わず、効果に信頼を置くこともできないのです。2の記憶術は、面白いとは思いますが、方法論が特殊すぎて実行する気にはなれません。3はすでに体験済みですが、ふつうの人間では破綻します。

というわけで、4のタイプの本を出したわけです。今後こうした本がたくさん出てきてくれるとうれしいです。