ライフハック心理学

心理ハック

午前の仕事、午後の気分

タスクシュートやToodledoを使っていると、「時間帯」ということをよく考えます。朝ならできることと、夜ならできることは、けっこう違います。この辺のことを考察した心理学者がいます。

『毎日を気分よく過ごすために』という、やや「軟弱な」テーマに取り組んだロバート・セイヤーは、心理状態に2つの次元を考えました。冒頭の図がそれです。横軸はエネルギーの有無、縦軸は緊張の多少を表しています。

平静でエネルギーがある状態

たとえばセイヤーによれば、午前中は平静で、エネルギーのある状態です。緊張感は高くなく、エネルギーに満ちあふれている。まさに仕事をするには理想の状態でしょう。

こういうときはまずまず、幸福感を感じられるはずです。もちろん、精神的に健康な状態にあれば、という条件がつきます。この状態をよく自覚するなら、セイヤーの言うとおりで、エネルギーがあっても緊張していない状態というのは心地よいものなのです。

緊張していてエネルギーがある状態

セイヤーによれば〆切間際。野口悠紀雄さんが「間際シンドローム」と呼んだ現象がよく起こる心理状態です。

〆切はいわば非常時ですから、夜寝ていなくても心理的にエネルギーは送られます。しかも緊張状態も高い。あまり愉快な状態ではないはずですが、人によってはこの高緊張×高エネルギーが癖になるのです。これが報酬として働くなら、「先送り」が癖になるのも当然でしょう。

平静でエネルギーがない(疲労)状態

健康であれば、就寝前がこの状態。就寝前にはこういうふうになっているのが理想的、ともいえそうです。

緊張していてエネルギーがない(疲労)状態

「疲れ切ったとき」の気分です。心配ごとなどがあって、心理的に消耗していても、この状態になります。

午後にこの状態になる人が多いと、セイヤーは指摘しています。ここでカフェインを入れると、この心理状態はむしろ悪化するという指摘もありますが、これをぜんぜん自覚していない人も多いでしょう。

全体的に、簡単な2次元分類ですが、なかなか役に立つ発想だと思います。こういうものをもっと、本ブログでも取り上げていかなくてはいけないとも考えています。