ライフハック心理学

心理ハック

「考える作業」と「手を動かす作業」を分ける

  • 2009年11月11日 (水)
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マインドハック

「考える作業」と「手を動かす作業」を分ける

効果の根拠

このライフハックは『スピードハックス』からのものですが、両方を一緒に始めてしまうという人は少なくありません。たぶん「考えている」とサボっているように見えてしまう事情もあるのでしょう。

傍目にどう見えようとも、両方同時にすべきでないのは、効率が落ちるからです。文書を考えながら作成したり、戦略を立てずに掃除を始めたりすると、非効率的です。

たとえば、次のような状況をイメージしてください。

3ヶ月も掃除しなかっためちゃくちゃになった部屋をきれいにするために、自分で計画を立てて掃除する場合。どこに何があるかも定かではなく、きちんと片付くかどうかもはっきりせず、時間も十分でないかもしれない。途中で買い物に行く必要もあるかもしれない。

一方で、掃除の達人のような知人がいて、見るに見かねて一切の指示を出してくれる場合。この場合あなたは、ただひたすら知人の命令に従って、せっせと手足を動かしさえすればいいのです。

後者のほうがずっと楽だと思う人は多いはずです。それは、想像というものは決して現実のコピーではなく、想像の世界を固定することは難しいからです。236×158を暗算でするのは難しいのです。最初の6×8=48を頭の片隅に「置いておいた」つもりでいても、5×3をやっている頃には消失してしまうでしょう。紙に書くことの利点はここにあります。

多くの行動は、ふつうの短期記憶を利用する程度で可能ですが、頭の中だけのシミュレーションは短期記憶をフル活用しつつ、記憶内容の操作から、時に長期記憶の利用をも含みます。やることがずっと多くなるのです。

ですから無駄なようでも、まず考え、その思考過程を紙に書き落とし、それから実行した方が、結果的にはスピーディにうまくいくケースが多いのです。