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心理ハック

「時間が足りなくなる」5つの心理的要因

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運用できる時間に対して、仕事量が圧倒的に大であれば、何をどうやっても無駄ということはありますが、使える時間に対して余裕があったとしても「時間が足りなくなる」というケースはいくらもあります。

そうなる原因の一つとして、心理的な罠があげられます。次のような心理が、結果として「時間が足りない」状況に追い込んでいくのです。これを避けるために、種々の仕事術があるということもできます。

1.緊急事態を優先して、重要な仕事を後に回す


一般的なタスク管理ツールには「優先順位」という項目があります。自然にイメージしやすい分類項目なのでしょう。

優先順位をつけるのは自由ですが、人の頭は五段階とか十段階を、整合性をもってふり分けられるようにはできていません。直感だけでやるならば、二段階あたりが限界です。つまり、「いますぐ!」と「あとで!」なのです。

つまり、気をつけていないと「最優先」の仕事ばかりを毎日やっているだけで、毎日が終わっていってしまうのです。長期的な準備が必要なプロジェクトなどが残り、どこかで「時間が足りない!」という事態に見舞われるわけです。

これを避けるにはやはり、ツールを使うことです。

2.すぐ終わる仕事を優先して、時間がかかりそうな仕事を後に回す


ある意味でこれは合理的な判断ですが、悪いことに癖になります。つまり、「時間がかかりそうなこと」はいつまでも先送りにしたくなるのです。

その結果は火を見るより明らかです。「時間がかかりそうな仕事」をするための時間がだんだん減っていくのですから、最後には「時間が足りない」ということになります。

ここには他にも罠があって、「時間がかかりそう」ということと「時間がかかる」ということはちがいますし、「時間がかかりそう」ということと「疲れそう」ということもちがうのです。しかし、これらは混同されがちです。

「すぐ終わりそうな仕事」を優先してばかりいると、行動科学的にこの行動が強化されます。つまり、「すぐ終わりそう」な仕事を片付ける快感に浸ってしまうため、そうでない仕事はますます手がつけにくくなるわけです。

これを避けるには、「すぐ終わりそうな仕事」と「時間がかかりそうな仕事」をサンドイッチにしていくことでしょう。

3.すぐできそうなことを先にやって、難しそうなことを後に回す


2とよく似ていますが、こちらは「可能性」。2は時間に関する話でした。

この場合もやはり、「すぐできそう」なことばかりやってしまって、「できそうもない」仕事があとに残ってしまうわけです。

2と3には共通の心理的悪影響も見逃せません。どんなにすぐやれることとは言え、そちらに手をつければその分時間を使うわけですから、残り時間は少なくなります。つまり、全体的に見ると、すぐできそうな仕事をした後の方が、状況がシビアになっているわけです。

これを避けるにもやはり、2の場合と同じく、サンドイッチ方式がいいでしょうが、タスクシュートやToodledoを使って、時間に関するシミュレートを行うのも一法です。

4.何度もやっていることを先にやって、初めてのことを後に回す


これはまた少しちがいます。「初めてのこと」より「何度もやっていること」をやりたくなるのは、「ロボット」の有無によります。

熟達したスキルを持っている行為を私は「ロボット」と呼んでいるのですが、人が「ロボット」を持っていることをやりたくなる理由としては、

・有能感を感じることができる
・時間が容易に見積もれる
・あまりやる気が必要ない

というメリットがあるからです。運転が得意な人は、できれば英会話よりは運転を生業としたいのです。当然です。

しかし、2と3と4をセットにして行動していると仕舞いには、

・時間がかかりそうな仕事
・難しそうな仕事
・初めての仕事

が締切日が迫るのに反して残っていくというわけで、たまったものではありません。

5.好きなことを先にやって、嫌いなことを後に回す


これは心理的説明など、不要でしょう。非常に自然なことです。

そして、2と3と4に加えて、嫌いなことばかりがあったら、これはもうかなりストレスを感じさせられます。

タスク管理ツールでタスクを管理しても仕事は減らないという人もいれば、タスクシュートなどで時間をシミュレートしても時間は増えない(あるいは計画を立てても計画通りにことは進まないなど)という人もいますが、それは論点を外しています。

仕事術の眼目は「気がついたらとんでもないことになっていた」という事態を極力避けることや、必要なリソース(時間、体力、気力、タイミング、お金など)を無駄にしないことや、予想外の事態に見舞われても、事態を速やかに修復する手段を用意しておくことにあるのです。