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ストレス神話 – Psychology Todayより

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個人的に、信憑性がないのに広まってしまっている仮説のことを、「神話」と表現するのはいやなのですが、原文がそうなっているので、一応従っておきます。

Psychology Todayの「8つのストレス神話」の記事は、このブログでも前から取り上げたかったものだったので、5つめまでを簡単に紹介します。5つのなかでも重複があるほどなので、8つも必要ありません。

それでは、以下がPsychology Todayの言う「神話」-つまり、正しくないにもかかわらず、広く信じられている「俗説」です。

1.ストレスは環境に起因している


環境自体がストレスを生むわけではなく、環境からの刺激に関する「解釈」次第でストレスを受ける、ということです。だからこそ、同じ状況でも人によって、ストレスの受け方は全然違ってくるのです。

ハチがブンブンうなっていても、まるで気にしない人と、ものすごくストレスに感じる人がいるでしょう。

2.ストレスはモチベーションを高める


こういう考え方は幅広く信じられていますが、原文記事では、「よい刺激」と「ストレス」とは分けるべきだと言っています。

期限を設けたり、ゴールを設定することはよい刺激につながり、よい刺激は能力を高めてくれます。それに対して「心配」や「動揺」をもたらすストレスは、能力を発揮できなくさせるのです。

3.よいストレスもある


2と似た話ですが、これまた日本でもアメリカでもよく信じられています。もちろん、「よい刺激」のこともストレスと呼ぶ人からすると、こういうことになるのでしょう。

「ある程度のストレスは」という表現で始まります。しかしストレスは、心身に悪い影響を及ぼすことがほとんどなのです。

4.ストレス抜きの人生は生ぬるいものになってしまう


原文記事は面白い指摘をしています。「現代の多くの人は、ストレス抜きの人生というものを、もう想像もできなくなってしまっているのだ」というのです。

子供のころ、ストレスをほとんど感じていない、という時期はありませんでしたか? 子供の頃は、人生が生ぬるく、味気なかったでしょうか?

5.最善のストレス対処法は、運動、呼吸法、またはリラクセーションである


運動も呼吸法も、いいでしょう。しかし、1で述べてあるように、環境がストレスをもたらすわけではないのです。ストレスをもたらすのは、ある状況に関する、解釈なのです。

運動などによって一時的に、「ストレス因子を考えること」を忘れることはできるかもしれません。しかしそれは、ストレス因子をなくすわけではないのです。運動だけをストレス対処ツールとしていたのでは、解釈が戻ってきたとたん、ストレスも戻ってきてしまうでしょう。

むしろ、「解釈を忘れる」あるいは「解釈を変える」ことを重視すべきです。

▼原文はこちら
8 Deadly Myths About Stress
http://www.psychologytoday.com/blog/the-myth-stress/201005/8-deadly-myths-about-stress