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心理ハック

「巧妙な嘘つき」のテクニックから「人を説得する方法」のヒントを得る

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ライフハッカーさんに嘘を見破るには、巧妙な嘘つきの10の特徴を知ろうという記事がアップされました。英語の原文はPsychology Todayにあります。

この10の方法、よく読むと「人を説得するテクニック」がもとにあることがわかります。それも当然で、「ウソ」というのは他人を説得するために用いるものだからです。事実で説得できるのであれば、当然その方がいいでしょう。

そこで、この10の方法をもとにして、「説得力を高める方法」を考案してみます。

1.説得する理由をはっきりと意識する


セミナーなどでよく反省することがあります。「自分は今、なんでこれを喋っているんだっけ?」という状態に陥るのです。もちろん、緊張しているせいなのですが。

そういうときほど、聴衆の反応はしらけたものになりがちです。

2.下準備が大切


これもセミナーで反省させられることです。説得力のない話をしているときには、たいてい準備不足が原因です。

3.本当のことを話す


人が本当のことを若干歪曲したり、脚色したりするのは、退屈な話に少しでも花を添えたいという気持ちからくることが多いものですが、余計な結果になる場合も少なくありません。

自分が知っていることというのは、どちらかといえば退屈な印象を残しますが、情報発信をよくしている人には周知のように、自分にとっての当たり前が、誰にとっても当たり前であることは、まずありません。ですから、本当のことをそのまま話しても、インパクトを与える可能性は高いものです。

4.相手の見方に歩調を合わせる


Lifehackerさんの記事の孫引きになりますが、これはとても重要なので、引用しておきましょう。

『Lying and Deception in Everyday Life』という本の編集者、キャロライン・サーリン氏は「信憑性のある嘘をつく人は、相手のものの見方に配慮しています。相手の知っていることを知り、興味のあることや活動に気をつけているわけです。」と述べています。

ウソだろうと真実だろうと、人を説得するためには、相手のものの見方に配慮することが最低条件になります。

5.話に一貫性を


記事は「ウソ」について、つまり作り話なのですから、つじつまが合わなくなるリスクを抱えているのももっともです。

しかし、ウソをつく気もないのに、話のつじつまが微妙に怪しくなってくる話し手は、たくさんいます。たとえばテニスのコーチなどのアドバイスを注意深く聞いていると、「今言ったことと、さっき言ったことは、両立できなくないか?」と思うことがしょっちゅうあります。

それにはそれなりの理由があって、ウソをついているわけではないのです。ただ、説得力は低下します。

6.集中して話す


記事中では、「ウソを言っている人は話に身を入れない」と言うことが書かれていましたが、事実を話していても、話に身を入れなければ、説得などできません。

このことは実は、1の「説得する理由をはっきりと意識する」ことと、深い関係があります。

記事には「10の方法」があがっていますが、事実をもって説得するには、上記6項目で十分でしょう。そして、これを他人にと言うよりも、自分自身に適応してみることを、オススメします。

自分を説得しなければならない場面には、他人を説得しなければならないのと、同じくらい遭遇します。仕事を先送りしたくなったり二度寝したくなったりしたときに、情熱をもって自分自身を説得してみましょう。