旧ライフハック心理学

心理ハック

どんなときでも気を散らさないようにするには

ちょっと以前にidea*ideaさんが、次のようなマインドハックを紹介されました。

さて、「この時間は集中したい!」というときありますよね。でも、そうしたときに限って雑念が浮かんできて「やべ、あれやらなくちゃ!」と突発的に対応しちゃって結局生産性はガタ落ち…というのは良くありますw。

そうしたときにおすすめしたいのは次の方法。

一枚の白紙を横におき、雑念が浮かんでくるたびに淡々と書きだしていくこと。

ここぞ!というときにぐっと集中力を高めるためのすっごく簡単な方法
http://www.ideaxidea.com/archives/2010/06/instant_concentration.html

こういう方法は時々聞きますが、なぜこうした方法が有効なのか?

あなたは今この記事を読む前に、何を考えていたか、思い出せるでしょうか? さらにその前に考えたことは? さらにその前は?

ウィリアム・ジェイムズという心理学者が、「意識の流れ」という概念を提唱したのは、ずいぶんと昔のことです。この概念は、文学の世界でもよく取りざたされ、『ユリシーズ』のジェイムズ・ジョイスやヴァージニア・ウルフなどといった名前とはワンセットです。

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意識は流れていきます。自分が考えたことを間断なく書き留めてみると、そのことは実によくわかります。行動がかろうじてある程度の指向性を保っているように見えても、内心で考えていることは、まったくそうではありません。

人間はよく「メタ意識」を有しているといわれます。自分が先ほど何を考えて、今何を考えていて、これから何を考えていくかという流れを、少し距離を置いて観察できるというわけです。こういうものがあればこそ、犬のようにあちこちにすぐ意識が散ってしまうことなく、注意すべき対象に意識を集中させることができるわけです。

たしかにそうですが、この能力には、それほど期待できないのです。メタ意識を意識的に持つことは可能ですが、全然そうなっていない意識状態でいることも多いものです。

集中力を発揮している時というのは、メタ意識の監視を必要としないくらいに、意識が一定の方向を見失わずにいるような状態です。しかし、大好きなことをしているのでもなければ、意識は特定の方向を見失わずにはすまないものなので、何らかのやり方で自分を「意識づける」必要があるわけです。

そのひとつの方法が、すぐにあちこちに気を取られて集中できない意識の状態を、監視しやすくするように、紙に書き落とすというわけです。メタ意識を発動するには精神力が必要です。それほど元気でない時には、紙という補助を使った方が、やりやすいのです。