心理ハック
「考える時間」を別枠でとる
別に、「現代人は考える人が減った」とかなんとか、そういうことが言いたいわけではありません。
「先送り」してしまうとき、人は「考える時間」が取れなくなっていると思うのです。
先日、苦し紛れにあげた「人はずっと先送りしてきた問題を簡単に解決されるのは好まないのかもしれない」というエントリに予想以上の反響があって、ちょっと考えさせられました。
他人が、自分がずっと解決できずにいた問題を簡単に解決しようとしていると、自尊心が傷つくということはあるのでしょう。が、それよりもっとありそうだと思うことは、「その解決方法では納得できない」ということなのかもしれません。
「考えている」と人が言う時、実は、「悩んでいる」ことがしばしばです。
企画資料をまとめたり、本の原稿をあげたり、お風呂の掃除をしたりすることを先送りするのは、「面倒くさい」とか「もっと時間のある時にやりたい」とか、「そんなやり方じゃ先方に怒られる」とか言い分はありますが、よくきいてみると、「自分自身が納得できないやりかた」ではタスク処理する気になれないということが多いのです。
人はそれ程までに、自分自身を納得させたいのです。ただし、自分自身の説得には、結構時間がかかることがあります。しかも、「自分を納得させている」間は、仕事が全くはかどらないのです。
その時間は「考え中」となりますが、はためには(時には自分にも)ひどい無駄な事をしているように見える。これを俗に「グズグズしている」というのですが、本当はそう思ってはいけないのです。
本当は「考える時間」を取るべきです。もちろんそれは「ロジカル・シンキング」などと呼べるものではないにせよ、じつはタスクを前に進めるために欠かせない時間なのです。
この時間をずっととれずに、何となく先送りを繰り返して、そのうち他人が当たり前のように「解決」した時には、上述したとおり、「何となく納得がいかない」という気分が残るのでしょう。