ライフハック心理学

心理ハック

午前中にメールもRSSもチェックしない日を作ってみる

iStock_000012064498XSmall.jpg

仕事の性格上、不可能というケースは当然のぞいての話です。

『一日一箱』(中継出版)を上梓したとき、もっとも大きな反応はこの点についてでした。「1日に1回しかメールをチェックしない? 午前中はチェックしない? そんな仕事術があるか!」とご批判いただいたものです。

確かにそれができないケースはあると思います。あくまでもあれは、「一日中メールチェックし続けると認知リソースを失う。一日に1度。多くても3度にすることが可能であれば、精神的な生産性が向上する」と言いたかったのです。

認知リソースは無限ではない

人は体力だけではなく、精神力も無限に持っていません。が、元気な間はそのことをほとんど忘れて生きています。ちょうど、30万円くらいもって旅行をはじめたときのようなものです。缶ジュースの1本や2本を買っても、お金はいつまでも続くような錯覚を覚えていることでしょう。

しかし、たとえお金が1億円あろうと、それは無限であることを意味しません。そして、人間の使う精神力は、三十万円を持って缶ジュースを買うのと比べると、非常に不足しがちなバランスにあります。

メールをチェックするだけであればそれほど大仕事ではないため、精神力に余裕のある朝のうちは、確かに取り組みやすいでしょう。

しかし、そういう使い方をしたとしても、確かに精神力は確実に減っているのであり、かつ、チェックするだけで何の行動も起こさなければ、結局夕刻頃には認知リソース不足にあえぎ、精神的消耗に苦しみはじめます。

精神力を失うことは、時間を失うことに似ているのです。メールをチェックするだけであればそれほど大仕事ではないため、時間に余裕のある朝のうちは、それをやっても時間を使っていないような錯覚を覚えています。しかし時は止まらないのですから、どんな小間仕事をしても、時間をその分失うことは避けられないのです。

可能であればぜひ一度、午前中のメールチェックを我慢してみてください。その間に、独力で立ち向かうあなた向けの「本仕事」に精神力を注ぐことができれば、一日の終わりには充実感を覚えられます。