ライフハック心理学

心理ハック

「心内対話」が先送り対策として有効な理由

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以前、「先送りしたくなったら、先送りしたい理由を書いてみる」というライフハックを紹介したことがあります。この方法は、やってみるとわかるのですが、けっこう有効です。あまりにくだらない理由ばかりが出てくるので、読んでいていやになるのです。いやになって、先送りを取りやめることができるのです。

このようにして「先送り」をやめられるということは、先送りというものの多くが実は、「葛藤」や「逡巡」ではなく「決定」だということが見えてきます。全ての先送りが「決定済み」ではないのですが、多くが「決定済み」なのです。

「決定済み」というのはつまり、「先送りするぞ!」という明確な意思表示が、心の中ではすでに行われているという意味です。だいたい気が重くなるような、「今日は手がけられそうもないような」仕事については、最初からやる気などないのです。やらない気でいっぱいなものなのです。

「先送り決定派」と論争する


深刻でないレベルであれば、人の心はしょっちゅう分裂しています。「先送りの決定」など典型的で、気持ちよく颯爽と先送りする人はあまりいません。先送りとは心の中の「先送り派」に、渋々押し切られた結果やることです。

この決定は、特定のタスクを手がける前になされていることが多いものです。ひどい場合には、タスクリストに記入した直後辺りから、決定済みの事項です。この決定に対する弱々しい抵抗では、あまり功を奏しませんし、まして決定済みでないかのような偽善的な調子に合わせていたのでは、時間を無駄にするばかりです。

先送りが決定事項であれば、反先送り派としてするべきことは、交渉です。相手の言い分をまずは聞いてみて、それから議論してみるべきなのです。

言い訳を書き出すということは、先送り決定済みグループの言い分を聞くことと同じです。そこでくだらないことしか出てこなければ、先送りする論拠を失います。対抗する理論武装として、GTDのリストやタスクシュートを武器にしてみるのもいいでしょう。