ライフハック心理学

心理ハック

心配性を克服する

iStock_000002713642XSmall.jpg

先送りと一口に言っても、様々なタイプがあります。完璧にやろうとしすぎるあまり、手がけられる範囲を自ら狭めている完璧主義タイプや、人のことばかりにかまけて、自分のことは先へ進められない偽善タイプなど。

しかし、もっともよく見られる「先送り」のパターンは、心配するあまり、とりあえず先に送っておこうとするやり方でしょう。新しいことに手がけたり、やり遂げる際には、いくつもの心理的抵抗に遭います。それらは言語化するほどでもないちょっとした抵抗ですが、積み上がるとハードルが高くなるのです。

それを乗り越えるだけの決意も言語化しないままに、「とりあえず先送り」するのです。これは、心配と不安を回避する、典型的な行動パターンです。

言語化する


この性癖を克服する、1つの方法が「言語化」です。

・不安を言葉に直してみる
・対策を言葉に直してみる

これだけのことで、問題が改善したり取り組む気が起きてくることがあります。

そもそも人が言語化を避ける理由の1つに、不安があります。つまり、不安だから言語化せず、言語化しないから不安に取り組めないという悪循環を断ち切れないのです。

もちろん、たいしたことではないから言語化しない、と本人は思っていることも多い。しかし、「漠然とした不安」というものは、一つ一つは大した要因でなくても、全体が集まると、手足を縛ってしまうのです。まずはそれを解きほぐしましょう。

解きほぐすと、くだらないことのように思えてきます。もちろんそれで解決になるとは限りません。「こんなくだらないことで不安を覚える私って…」という不安にも絡め取られているからです。

しかしその解決法まで改めて書き起こしてみると、存外簡単に実行できることのはずです。心配事はこのようにして、心配事でなくしてしまえばいいのです。

表現を変える


ただ、心配性の人は自信を失っているため、書き出してみてもそれだけでは気が乗ってこないかもしれません。

心配性の人によく見られる表現のクセというものがあります。決断を避ける心理が、表現にも表れてしまうのです。

たとえば次の3つの表現は、どれも似たり寄ったりに見えるかもしれませんが、実行される確率は下へ行くほど下がっていきます。

・2010年の12月31日中に、書棚の本をゼロにする
・今年の年末には大掃除する
・今年の年末こそ大掃除をしたい

下へ行くほど自信がなくなっています。知らず知らずのうちにプレッシャーを回避したいという心理が、こういう表現になるのです。

あなたがこうした表現を無意識のうちに使ってしまうなら、具体的で短い表現に改める工夫をしましょう。「できるだけ」とか「一種の」とか「実際には」とか「若干」など、なくてもいい表現を全部カットします。

そうすると自分の言葉が、自分に向き合うことを求めてきます。最初はプレッシャーがかかるでしょうが、それが将来の自信につながるのです。