ライフハック心理学

心理ハック

016 「やる気が出ない」理由

決断できない


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まずなによりも「やる気が出ない」ときには、決まって決断が避けられているはずです。「やるべき事」を「先送り」にするときには、「やらない」という決断すら、していないのです。

もしこのブログを真夜中まで先延ばしにしていたとして、そのときにやっていることと言えば、躊躇であって“真夜中まで先に送ろうという決断”ではありません。躊躇とは、とにかく何であれ決断をしないことです。なぜなら、決断したくないからです。

なぜ決断したくないのか。

いい結果が望めないからでしょう。すぐにやってもいい記事が書けないけれど、先に送ってもブログがアップされない。そういうときにはどちらに決めることもできません。どちらも自分の望まないところだからです。こういう場合、その仕事を「最後にする」しかないように、私は思っています。「最後の一つ」がブログを書くことであれば、もはややるかあきらめるしかないからです。

したがって、なんにせよ時間帯というセクションは欲しいところです。「最後」というからには区切りがいります。「午前中の最後」あるいは「1日の最後」などという文脈でしか「最後」という発想がもてません。

見通しがたたない

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複数の「ロボット」を様々な組み合わせによって成し遂げる仕事は、「見通し」がはっきりしていないと、とても気乗りがしません。人間は、一気に仕事を片付けるためには、絶対に「ロボット」の助けが必要です。「ロボット」のいない仕事というのは、ほぼ不可能です。

解ける見通しのない算数の問題が、40題も並んでいる計算ドリルをやれという宿題は、子供にとって大変に苦痛なものです。自分には簡単に解けると知っている子供は、たいてい嬉々として、一気にやってしまいます。こうした光景を見て、不思議な誤解をする人がいます。

「勉強を楽しんでいる子供は良く出来る」のではないのです。出来る問題をやっているから、楽しそうにやっているだけです。そういう頭のいい子供でも、彼らには解けそうもないほどの難問を山のように与えれば、ちゃんと苦痛にうめき出すはずです。

完成図に酔っている


私には「ゴールを設定する」やり方に不信感があります。以前よくしくじっていた方法だからです。ゴールのイメージはいわゆる「ワクワク感」を高めるかもしれませんが、それによって仕事を進められるとは思えなくなりました。

「ゴールのイメージ」はヒトの脳の報酬回路を活性化してしまうと思うのですが、それが良くないように思います。イメージさえ思い描いていれば気持ちよくなってしまうからです。

ちょうど部屋が異常に乱雑なのに、完璧に片づいた部屋の写真を見てニヤニヤしているようなものです。不毛です。少なくとも、本当に部屋を片付けたいと思うなら、やるべきことではありません。気持ちが良くなればいいということなら、悪くない方法かもしれません。

「仕事をやる気になる」ということと「単純にテンションが上がる」ということはイコールではありません。「いつかやりたい」系の仕事を前に進めるには、ゴールを設定するとか完成図をイメージするよりも、人を巻き込んで期限を切る方が効果的でしょう。