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022 【新刊案内】『いつも三日坊主のあなたが続ける人になる50の方法』

4月8日(金)発売となる本書は、『いつも先送りするあなたがすぐやる人になる50の方法』の続編です。

テーマはタイトルに完璧に書き出されているのですが、大事なポイントはちょっと決めつけがましい「三日坊主」にあるのではなく、習慣形成のための心理学にあります。

習慣形成のための心理学といえば、古典的には行動心理学。つまりパブロフの犬とスキナーボックス。

パブロフの犬は「ご褒美のもらえる行動は習慣化しやすい」ということと「いやな刺激が加わると習慣が消える」という理屈を支えています。

スキナーボックスはこれよりもっと「技術操作系」へと展開します。ネズミは迷路から抜け出すとチーズがもらえるわけですが、人であれば英語が話せればアメリカ人とデートできるかもしれません。そういう話です。

理屈としては以上の3つがあれば、きわめて多くの行動パターンについて習慣形成が可能になります。しかしこの理屈だけを知っていれば何でも習慣形成できるなら、健康で優秀で金持ちなのは心理学者ばかりになるはずですが、実際にはそうなっていません。

ここから分かること。理屈を現実に応用するには、どんなに単純な理屈であろうとバカにして粗雑に扱わないことです。「行動科学」を適応する上で絶対守らなければいけないポイントが少なくとも3つあります。

・確実に報酬系で快感を得ること

・思考やイメージでぶちこわしにしないこと

・「目的」を見失わないこと

この3点がきちんと守られていることはごくまれです。たとえば「ご褒美」というのはそれが得られたとき確かに気分が良くないとなんの意味もありません。

また、「俺はネズミじゃないから」などと勝手なことを考えて、「雨の日はお休み」というルールを後から作ったりするとそれが「報酬」となって「サボることが習慣」に変わります。

最後に、「習慣は形成されたけど目的は達成されなかった」ということがままあります。これはもう「習慣形成」では対処のしようがありません。「貯蓄の習慣を作ること」と「マイホームを手に入れること」はイコールではないので、その点には留意しましょう。