ライフハック心理学

心理ハック

040 ひらめきが寝入りばなにやって来るという理由

たしか湯川秀樹にまつわるエピソードで、もしかすると都市伝説ではないかと勘ぐってしまいますが、「アイデアは寝入りばなにやってくることが多い」と言ったとか言わないという話を聞いて、物理学者が布団を引き出したとか。ノーベル賞級の物理学者の言葉は影響力が大きいですね。

このエピソードは「アイデアはメモでキャプチャしにくい話」や「深層心理とアイデアの関係」を論じる際によく引き出されます。

深層心理はとても興味深くて居酒屋で話したいところですが、今回はそっちはさておき「アイデアが寝入りばなにやってくる理由」を少しとりあげたいです。

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写真が少し小さいのですが、どうも机の上にはノートパソコンがあります。しかし、アイデアがひらめいてもさっと手を伸ばしにくそうですね。

都合の悪いことにこういう姿勢の時「よい考え」とまでは行かなくても「多少ともマシな考え」がひらめきやすいということです。こんなマーフィーの法則じみたことになるのは、脳が意地悪だからではありません。

注意が解放されるからです。

この「注意が解放される」ということを私達は軽く考えています。だから「心配事をすべて書き出そう」とか、「不安から解放されるべく家計簿を付けよう」といった呼びかけなど「なんだつまらん」とスルーされてしまうわけです。

ふだん脳がどれほど多くのことを「気にかけて」いるかを知るには、気を張っているときにベッドに仰向けになるだけで十分です。ものすごい開放感がひろがり、幸せな気持ちでいっぱいになるでしょう。その逆に向かって毎時間奮闘しているのが私達の脳です。

もしこの「ものすごい開放感」を実感させる精神力を、あるテーマ1つに向けてみると、「そこそこよい考え」に行き着いたとしても不思議はありません。身体の節々の疲弊をケアしつつ、明日の心配事をキープしつつ、将来の不安を感情的なモチベーションに切り替えるべくがんばっている脳に「アイデアだし」までやらせているときよりは、はるかにマシなアイデアが生まれそうです。

そういうときはいつも決まって「解放万歳!」の状態になるので、メモなど取り出したくないわけです。「解放万歳の状態をキープしつつ、メモを楽にとれるうまいやり方はないか?」と考えるのがライフハッカーとよばれる人たちです。