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042 Evernoteを使っていれば思わぬアイデアにぶつかることができるわけ

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最近ブログや連載の「ネタ」に詰まったときにふとEvernoteが目に入り、そこから思わぬアイデアが転がり出てきたという経験が頻発しました。

これはたんなる偶然なのか、少しは再現性のあるものなのか、ちょっと考えてみます。

そうそう、それそれ!


Evernoteに限りませんが、メモを記録しておくメリットの1つとして「忘却を防ぐ」ということがあります。中でもかなり高度な「備忘」の1つが、「いつか役立つかもしれない情報」の記録です。

そういう情報を保存しておくのは簡単ですが、利用するのはそこまで簡単ではありません。「いつか役に立つかもしれない情報」が必要になったときがやってきても、それがどこに入っているかがわかりにくいからです。そもそもEvernoteに入れたということを首尾よく思い出せるかどうかが疑わしい。

それでもEvernoteを検索して見つけるという経験をしている人は少なくないはずです。これはおそらくちょっとした「アハ体験」のクオリアをともなっているでしょう。

アイデアを「思い出す」ということ


Evernoteにどれほど膨大な情報を詰め込んでいるにせよ、私達がふだん見聞きし、思考している情報量に比べればたかがしれています。何しろ私達は生きている間ずっと「感覚記憶」という形で何かを記憶し続けているのです。

アイデアというものを自分の中に見つけるとすれば、膨大なとっくに忘れ去った「自分の記憶」と関係しているにちがいありません。問題はそれらを検索する方法自体が失われている点です。

Evernoteの脈絡のないノートを走査するメリットは、その検索する方法のない記憶を探るトリガーになりうるところです。Evernoteのどのノートにも見つけるべきアイデアはないかもしれませんが、ノートを書き残した感覚に関連した記憶に、何か必要なものがひそんでいる可能性はあります。

Evernoteに「いつか役立つかもしれない」というタグを付けたときと同じような感覚を、ある思考内容に感じたかもしれません。その思考内容はどこにも記録されていなくても、「いつか役立つかもしれない」という意識とともに、脳のどこかに保存されているかもしれません。