心理ハック
037 iPhoneを買ったらフリック入力は覚えよう
iPhoneの操作で一番おっくうだったのが文字入力!
他の操作がワンタッチで済む分どうもこの作業がめんどうでしょうがなかったんですよ。道に迷ったときも、電話番号を調べるときにもググるたんびに面倒な文字入力にうんざりしてました。
しかし、これではいかんと思い立ち、素早い入力が可能といわれるフリック入力を練習してみたら、これが意外に簡単にできてしまった!
おかげで、iPhoneの作業スピードが格段にあがり、今またiPhoneを触るのが楽しくて仕方なくなりました!
そうなのです!iPhoneのキモは文字入力であり、このフリック入力だったのです!
きわめて今さら感もある話ですが、意外と「やったこともない」という方も多いので、上記のブログを紹介しておきます。
このブログエントリで述べられているとおり、iPhoneはフリック入力できないとなかなか不便で、フリック入力さえ覚えれば一気に便利になります。そしてフリック入力は「3日もあれば」何とかなりますからぜひこの連休が終わるまでには何とかしてしまいましょう。
フリック入力の話はここまで。ここからはライフハック心理学で話したい話に移ります。
いまどき、いわゆる「ライフハッカーな」人たちは特にそうだと思いますが、「慣れるべきツール」が実に多くなっています。問題ははたしてある程度の時間をかけてでも「慣れる価値がある」ものかどうかを見極めることです。
できれば特別な努力なく「使いこなせる」ようになれた方がいいわけです。前述のフリック入力などは例外的なもので、これは少しエネルギーを注いで慣れてしまうに価するものです。自動車ほどではないかもしれませんが。
同化と調節
この問題には心理学を勉強すると「同化と調節」という表現で出会います。
ジーン・ピアジェという、我が子をとことん観察し、ほぼ連日日誌に付けることで、いわばケース・スタディのお手本のような「児童観察日誌」を公表した発達心理学者が考案した概念です。(ちなみにU・ナイサーなどの認知心理学者は、「同化と調節」の概念をあまり気に入っていないようです)。
同化というのは、少しライフハック的に言うなら「カスタマイズ」です。自分に合わせて、環境を変える。車にカーナビを付けるのは、同化の応用です。センサーを付けるのも、同化。テニスラケットを買い換えるのも、デザインだけが気に入ったというのでなければ、同化です。
対照的に、調節は「練習」です。自分のほうを変えること。テニスラケットを買い換えて、実力を上げようとするのに対して、素振り百回するのは、調節です。
ライフハック的に高く評価されるツールというのは、基本的に「同化しやすく」できているものです。「直感的に操作できる」とはそういうことです。
一方、冒頭にあげた「フリック入力」などはまぎれもなく調節です。調節するのは、いったんやれてしまえば大きな操作性の向上が期待できますが、コストがバカにならないので躊躇されるものです。覚えても役に立たなくなる技術というのも少なくありません。
というわけで、結局は「バランスの問題」ということになるわけですが、私はごく簡単な基準をもっています。
原則調節は控える。しかし、1人でも「調節をした」女性を実際に見たら、自分も調節に乗り出す
というものです。こうしたことに性差が本当にあるかどうかは不明ですが、私の見るところ女性の方が調節の必要性についてシビアです。
第二種免許とかラテン語とか、単に人に自慢したいだけとしか思えないような「技芸習得」でも平気で乗り出せる男性と違って、(これらはそれらが不要という意味ではありません)女性は苦労するときには実用性を厳しく問うように見えるのです。
iPhoneのフリック入力ならすでに「マスターしている女性」を少なくとも5人は見たことがあります。見た、という意味でいうと、iPadのタッチタイプはまだ見たことがないのですが、さて。