ライフハック心理学

心理ハック

011 ポモドーロとリマインダー

「Pomodoro Technique(ポモドーロ・テクニック)」25分単位で集中する時間管理術というものがありますが、「集中するための時間管理」にはもう一つの方式があります。それがリマインダーを使う方法です。

この二つだけがすべてではありませんが、この二つはほとんど正反対と言っていいくらい違います。どちらかのみを使えば「万事OK」ということにはならないし、この二つくらいは使い分けないと色々とムリが出てきます。

「最低25分はやる!」というのがポモドーロ

iStock_000015697590XSmall.jpg

ポモドーロテクニックはそもそも、どうもなかなか集中できないという問題に対する方法として提案されています。ですからこれは「シャットアウト!」によって時間をまず確保するための方法なのです。

25分という時間枠に特別な根拠はないと思いますが、時間枠を先に用意してしまい、少なくともそれくらいの間集中しようよ、というわけです。その意味では古典的なやり方であり、「時間割」と似ていなくもありません。

長所としてはわかりやすく、今すぐ始められるところです。短所としては25分というワクが大きすぎるタスクには向かないし、今から15分後に出かけるという状況では、いかにも使いにくいなどのことがあります。

このテクニックを用いる際のコツは、「割り込みが入れない環境とともにやる」ことです。電話やネットはもちろん、仕事場に鍵をかけれれば最高です。25分の間、注意の切り替えをできればゼロにすることです。

「今から25分はねていてもいいよ。起こしてあげるから」がリマインダー

iStock_000004791190XSmall.jpg


ポモドーロテクニックがあえて時間枠を用意するテクニックなら、リマインダーはワクが定められている中で、ワクを最大に使おうとするところで利用するものです。

今から30分後に大事な用事のために家を出る。そんな状況下でポモドーロテクニックは集中に使いにくいはずです。25分めいっぱい仕事に没頭するのは危険だからです。

では、30分後に出かけるなら準備は何分後に始めましょう? ここを明確にするためにリマインダーを使います。まさか30分という人はいないでしょう。

たとえばそれが15分であれば、その15分間は「出発準備のことを忘れて没頭できる」というのが理想です。つまりこの世でもっともよく使われているリマインダーは目覚まし時計です。起きる時間のことを忘れて寝ることに没頭するから熟睡できるというわけです。

「ワクが決まっている」のか「ワクを作る」のか


ポモドーロとリマインダーの使い分けは、ワクが決まっているかいないかのちがいによります。

ワクが決まっていないと、没頭できません。集中力はいつまでも続くものではないからです。その意味でポモドーロテクニックは集中に役立ちます。

しかしワクが決まっていても、没頭できません。「出発」や「起きる時間」のことで気もそぞろになるからです。それを防ぐためにリマインダーを使います。