ライフハック心理学

心理ハック

027 集中力を出すために少し水を多めに飲む

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以前071 水を飲むという記事を書いたことがあります。昨日たまたま思い出す機会があったので、これについて再考してみましょう。

水を飲む記事を最初に書いたときに念頭に置いたのは、気分をいわばアジャストする、ということが念頭にありました。水それ自体に意味があるというよりは、人は嚥下に注意を取られやすいので、一瞬でも注意を集めることが可能になるのです。

注意を「飲料行為」に集めてすぐ仕事に取りかかれば、注意欠如のような状態で仕事とSNSを行ったり来たりせずにすみます。

ですがふだんから少し多めに水を飲んでおくことには、脳にとってメリットがあります。何しろ脳は80%以上が水だからです。「毎日水を飲む量を増やすだけで、ある程度は集中力と記憶力を高められる」といわれています。(微量でしょうが)。

拍子抜けするというか、あまり夢のない話だとは思うのですが、カフェインやその他のサプリメントの有効性が、水に勝るとはなかなか思えません。カフェインの効果はもちろん明らかですが、人はすぐ慣れてしまうし、大量に取ればその分いい、というものではないからです。結局効果は限定的です。

ましてよくいわれる「糖分」の即効性はほとんど期待できそうにありません。もちろん脳は糖分(グルコース)を必要としています。が、ほとんどの現代人は脳にとって二十分以上の糖分を毎日摂取しています。

まして脳が疲れた(これの意味もあいまいですが)ときに糖分を取る、というのはナンセンスなように思えます。何しろ糖分は脳にまっすぐ向かうわけではなく、まず胃に行ってしまいます。そこで消化が行われるわけですから、一時的にはむしろ精神活動が低下するのではないでしょうか。

ただ、糖分をとることによって、私達は甘いものが大好きですから、脳の報酬系が活性化するということはいかにもありそうです。ゴージャスなケーキなら見るだけでもそうした効果が期待できるでしょう。つまり、グルコースの補給で脳の疲れを癒しているのではなく、スウィーツのおかげで脳が興奮して、疲れを忘れるのだと思えます。

しかし長い目で見れば、水を飲む方がおそらく効果的でしょう。