心理ハック
042 EvernoteのNotebookは書棚、タグは目次にする
私も含め「こんなに便利なものはない」というファンが多い一方、「何が便利なのかわからない」とも言われてしまうEvernote。それだけ広がってきたということで喜ばしいことでもありますが、個人が管理するにはデータが膨大になりすぎるきらいもあります。
「デジタルデータの整理」という話はどうしても評判が悪いと思わざるを得ませんが、でも私自身は整理してしまっていますので、その話をまとめておきます。
EvernoteのNotebookは「書棚」に見立てて整理する
簡便な二分法からはいります。Notebookは書棚に、タグは目次に見立ててしまうのです。この場合ノートはもちろん「本」です。
するとNotebookは「形式別」に分類することになります。書棚に本を並べる際、多くの人は形式別に並べているでしょう。ハードカバーはここ、辞書類はここ、コミックはここ、美術年鑑などはこっち、という具合です。
Notebookを3タイプに分類する
Evernoteにこのことを適用すると3種類の大きな形式を分けるのが大事になってくるように思います。
1 カタログリスト(ウィッシュリスト)
2 メモ・ノート・WEBクリップ
3 コレクション(ライフログなど)
書棚のアレゴリーを引きずっていますから、あえてそれらしい名前にしてありますが、名前はどうでもいいのです。123のいずれも、同じ形式のノートは同じNotebookに入れるという原則を守りつつ、扱いかたが違います。
1の「カタログリスト」は一見したところ3の「コレクション」と似た内容になるのですが、1で大事なのは1%程度。3で大事なのは100%という違いがあります。
1は並べておいたものの中から良さそうなものを選ぶためのリストであり、3は並べられたリストを堪能するためのリストです。
1も3も「タグ」はあまり必要ないのです。カタログやコレクションに「目次」が必ずしも必要ないようなものです。特にEvernoteであれば、並べると自動的に目次もできてしまいますから、たしかに不要なはずです。
1や3、特に3の「コレクション」にあえてタグ付けするなら「★」でしょう。コレクションはみな大事なものですが、中でも特に大事なコレクションがあるはずです。それにあえて「★」をつけるというような行為のために、タグは役に立ちます。
2はまったくちがいます。2のメモやノート、またはWEBクリップというものは、まとめたり編集したりすることによって「育てる」ためのものです。これは後ほどまとまった思想なり記事なりになるものです。それが人の役に立ったり未来の自分の役に立ったりするでしょう。
タグは目次
Notebookが「形式別」に整理するためのものだとすれば、タグは「内容別」に整理するためのものです。ノートを一冊の本にたとえるなら、本は「書棚のコーナー」に「入れられ」ますが、タグは「本の中」につけられるものです。
ただここがデジタルのいいところで、Evernoteのタグは外からも見えます。本の目次が本を開くまで見られないとはこの点でまったく異なります。だからいきなりタグから探すこともできます。物理的な本を目次から探すということは不可能です。
さらにキーワードサーチという方法まであります。これは進化した索引と言っていいと思いますが、これまた「すべての書籍の中から索引に該当する箇所だけ引っ張り出す」というデジタルならではのことがやれます。
タグにはもう一つ別の、目次的ではない使い方もありますが、それは別の機会に譲ります。
仕事に役立てる
Evernoteは生活を豊かにしてくれるすごいノートなのですが、仕事に徹底活用するなら、最初の方に戻って「1」のカタログと「3」のコレクションを「2」から完全に分離しきることです。
特に私のような職業のものにとって、真に役立つのは「2」のメモを育てることです。したがって「次に使用するメモ」と「現在使用中のメモ」が入っているノートブックのノート数を、ギリギリ少なくしておくことが大事になっています。
100ものメモを一週間で「育てる」ことなど私にはできないので、せいぜい3〜4のメモを厳選し、これをブログや連載のネタとし、ラフに変え、書き足していくわけです。