心理ハック
「いつかやりたいこと」もログである
□やせる
というチェックリスト、あるいはリマインダー、またはゴールを毎日自分に呈示するというやり方はかなり難易度の高いやり方です。これによって思い出せることは「やせようとしている」ということだけだからです。
リマインダーとは文字通り、思い出すことがメイン機能です。でもただ単に「やることを思い出せればいい」というものではないのです。そのように誤解されているから「そんなことも覚えておけないなんて、バカじゃないの?」という批判が噴出するわけです。
やることの他にも思い出すべきことがたくさんあります。
・なぜそれをやりたくなったか?
・どのようにやるつもりだったか?
・どういう結末を欲しているか?
・いつやるつもりか?
・どのくらいやるつもりか?
・いつまでにやるつもりか?
これで6項目。シンプルなチェックリストの大きな欠点は、これらを記入する項目欄がそもそもないことです。しかしたとえば「部屋の整理をしよう」という人がいたとします。その人は次のような部屋で暮らしているとしましょう。
これを見てどう思うかは人によって様々でしょう。知人にこれよりひどい状態の人が何人かいます。つまりこの状態はもしかしたら「まだまだマシ」かもしれません。
人はいずれにしても環境に順応します。自分の環境を「変えるべきだ」と自覚しないならば、そこには動機も目標も生まれる余地はないのです。私は動機も目標もないからといってことさら非難されるべきだとは思いません。高い動機付けや目標が常に事態を改善するとは限りません。
現状に満足を見出すというのは、十分立派な態度だと思います。ただこのエントリでは「変えたいと思った」という仮定に立ちます。
なぜ変えたいと思ったのでしょう? それは次のような写真を雑誌で見て「このようにすれば何もかも事態が好転する!」と頭に血が上ったからなのです。
次にこの人はこう思います。「今はちょっときついけど、これをこうしてこうしてああすれば、たぶん大丈夫。うまくいく」と。
「では明日やろう」。
□部屋を徹底的に片付ける
そして明日に備えて早く寝る。
翌朝このリストを見ます。
□部屋を徹底的に片付ける
わかりません。何をどうすればいいのか? そもそも何をしようとしているのか。おぼろげには覚えているのですが何から手をつければいいのか分からない。そしてなによりやりたくならない。
なぜなのでしょう?
記録がないからなのです。
・なぜそれをやりたくなったか?
・どのようにやるつもりだったか?
・どういう結末を欲しているか?
・いつやるつもりか?
・どのくらいやるつもりか?
・いつまでにやるつもりか?
これらに関する記録が必要なのです。記録があれば手順やモチベーションを思い出せるとはいいません。たぶん無理です。しかし、記録があればその記録を元に、計画を育てていくことが可能になります。私が考えるに、不幸にも学校ではこの「モチベーションの記録を残し、最初は計画のキッカケをリスト化し、次に実行に至るまで計画を立て続ける」というやり方を教わりません。
記録をとれば即座にできるわけではありませんが、記録が計画を育てるタネになるのです。