ライフハック心理学

心理ハック

やる気の源泉を切り替える

デンマークで「チョコレート税」などが取りざたされていたなんてことは全然知りませんでしたが、昨日の記事にも登場した「外部性」を何とかしようと国や社会がすぐに思いつくのは一種の「課金」(しばしば税金)です。

メタボが国家や社会にどういう「悪影響」を及ぼすのかはよく分かりませんが、とにかくチョコレートを食べる人は別に「太ろう」としているわけではありません。これまた「意図せざる副作用」です。「太るかも」とは思っているかもしれませんが、「副作用」だけを拒否する方法もあるにはあります。

国が金を欲しがっているだけということは十分考えられますが、税がいったん導入されてしまえば、チョコレート大好きで仕方のない人でも何かしら対策を考え出すでしょう。

税導入のぜひはさておき、ここでモチベーションのありように変化が起こることに注目したいと思います。

日頃からダイエットしたいと思っているけどうまくいかない。という人はたくさんいますが、それらの人は「太っている」ということが不満なのであり、その不満解消のためにダイエットに挑戦するわけです。太っているという事実が不満なのであり、そこからモチベーションを得ます。

しかしうまくいかないとすれば、その不満は不十分なのかもしれません。どんなレベルの不満をもって「十分」とするかは難しいことですが、「税」がその難問を解くべきヒントをくれるかもしれません。

チョコレートが大好きにもかかわらず、「チョコレート税」のせいで結果としてある人がやせられたとすると、その人は「自分の体型についてはやや不満な程度だったが、国家に金を払うのはそれよりずっと腹が立つ」ということになります。「国に金を払う不満を解消するためなら、チョコレートをガマンするくらいのモチベーションには十分だ」というわけです。

時間と似て、金銭というのはいろいろなメッセージを発してくれます。それは私達のモチベーションを直接刺激しうることを、いくつかの心理学的な実験が示しているのですが、単に仕事を時給換算するよりも、うまく応用すると何かとやる気の刺激に役立ちそうに思えます。

このコンピューターは車の排ガスも監視する。そして、ダッシュボードのディスプレーに1分当たりの課金額が表示される。それもおそらくは耳寄りな情報つきでだ。「現在の1分当たりの課金額は九セント。ティム、エンジンを整備したら課金を半分にできたって知ってたかい」(138)