旧ライフハック心理学

心理ハック

プロジェクトの最低限の役割はトリガー

「求めている結果」を明確にした物が「プロジェクト」であり、そこには0個以上のアクションが含まれている。

プロジェクトの再定義:アクションなんて無くても良い – ksworks.org

実に色々と考察されている、ksworksさんからの引用です。このエントリには啓発されました。中の人がコーチをして下さっているというのはとても頼もしいかぎりです。

このエントリを拝読する以前から私が考え込んでいたことがありまして、前回も書いたとおりサブタスクがなんの分解にもなっていないという事態は少なくないのです。

私はこれを以前「よくないこと」だと思っていました。「小分けにせよ」「分解せよ」とよく言われ、また自分でも口にしていたとおりです。しかし今は「普通に起こること」だと思い直しています。

プロジェクト(ないしは少し大きめのタスク)の最大の問題は、時間をおいて取り組み続ける必要がある点です。「テニスの上達」という少し大きめの目標にしても、間を全くおかず、百日間飲まず食わず眠らずでテニスばっかりしていたら、今よりはずっと上達しているはずです。

もちろんこれは世迷い言で、不可能です。それにこういうやり方は学習の方法としてもよくありません。が、たとえば部屋の掃除にしても、間を空けるからわけがわからなくなるのです。よく売れている「片付け術」の本にはたいていあるように(私は反対のことを書いているのですが)「片付けはお祭りで一気にやってしまう」べきだというのは一理あります。

一気にやれないことは記憶をつなぐしかない


一気にやれれば話は早いのです。ですが現実問題としてそうはいかない。アクションが思いつかないならそこで思いつくまで考え続ければよい。しかしそうも言ってはいられない。仕事があります。他にやることもあるからです。

だから私達は「プロジェクト」、より正確には「プロジェクト名」という記号で行動をつなごうとしているわけです。ksworksさんに敬意を表し例として「彼女を作る」というプロジェクト「名」にします。

この表現を変えてはいけません。「恋人を作る」とか「彼女にアプローチする」とか「ガールフレンドを作る」にしてはダメです。表現揺れもいけません。「作る」とした以上「つくる」ではダメです。ですから辞書登録する必要があります。

「彼女を作る」というプロジェクト名であれば考えることでも、「ガールフレンドをつくる」になるとその限りではないからです。下手をすればモチベーションに影響します。「ガールフレンドなら、いいや」となりかねません。これは事例が良くないのですが、非常に大切なことです。

書斎を見て「ああ乱雑だなー。もっとスッキリしていれば仕事もはかどるのに・・・」と思って「部屋を整理する」というプロジェクトをつくってしまうと、一週間後にそのプロジェクト名を見た時「部屋の整理?どうして?」となりかねないのです。

つまりプロジェクト名とは、記憶を引きずり出すトリガーになります。トリガーが一定していてすら、私達は同じことを思い出せないのに、トリガーが「揺れ」ていたら話にならないのです。

何をしたいと思ったのか?(プロジェクト・タスク)
なぜやりたいと思ったのか?(目標)
どのようにやろうと思ったのか?(チェックリスト・レシピ)
どこまでやったのか?(ログ)

これらが正確に記載されていて初めて、あまり間をおかなければ、プロジェクト名をもって「私(過去)」と「私(未来)」をつなぐことができます。この連鎖が続く限り、「私の力」が積分されで巨大になっていく。力の方向性がだいたい正確であれば(これのチェックにもログが必要)部屋くらいは片づくでしょうし、彼女だって作れるかもしれません。

プロジェクト名や大きめのタスクとは「トリガー」になります。サブタスクには必ず「小分けにされた手順」を書けるとは限らず(書ければ一番いいのですが)、トリガー(「月にいくぞ!」)によって誘発される思いつきや手順らしきアクションが並べばいいのです。というよりもそれを並べるしかないのです。

しかし思いつきを全部実行に移せるわけがありません(というよりも実行に移すべきでないことも多い)から、そのうちの一部は「カタログ」にでもいくしかないでしょう。