旧ライフハック心理学

心理ハック

夢想家タイプの先送りをライフハックする


本書で、完璧主義的な先送りタイプの次に取り上げられているのは、夢想家タイプです。

このタイプの考え方は分かりやすいものです。「でも、あんな面倒なことをするのはいやだ!」というものです。もちろんそうです。誰だって面倒なことをするのはいやなものです。

ただ、結局やらなければならないなら…とか、誰かがやらなければならないことだから…といった理由で人はなんとかだましだましでも、地味で気乗りのしない作業に取り組みますが、夢想家タイプという人たちは面白いもので、そういう風には考えられないのです。

夢想家グズ人間のあなたは、受け身のまま快楽を求めようとする傾向があるので、注意しなければならない。テレビを見たり、娯楽小説を読んだり、石の上のとかげのようにhなたぼっこする間に、時間や目標達成にかかるプレッシャーが通りすぎるのを待っていることも多い。ときにはリラックスすることも悪いことではないが、その時間があまりに多くなると、あなたの自尊心と幸福が犠牲になるのだ。(p116)

このように過ごすことが可能だということは、心のどこかで「ぼんやり待っていればそのうち問題を誰かが解決してくれる」とか「自分がやらなくても何もかもうまくいく」と考えられるような独特の楽観主義があるからでしょう。

同じ「先送りグセの人」でも「完璧主義者」とどんなに違っているかによく注意して下さい。完璧主義の人はあらゆることを「自分で」完璧にやろうとして
、そうできないから先送りにする。夢想家は面倒なことに「自分は」手がけずとも、最後はうまくいくだろうしうまくいって欲しいと願って仕事に手がけないのです。

先送りといってもそうする理由は様々なのです。

では対策はどうでしょう? 完璧主義を扱ったエントリではTaskchuteを私は奨めていますが、夢想家にも同じツールを奨めます。問題を引き起こす心理的な要因は異なっているのに同じツールを奨めるのは無責任なようですが、闇雲に奨めているわけではないのです。

夢はあいまいだ。私たちがのぞむもののぼんやりしたイメージに過ぎない。トロフィー、豪邸、百万ドルの小切手、自分を尊敬のまなざしで見つめてくれる人、南の島の誰もいない海岸などがその例だが、まるで映画のように豪華で壮大なことがあっても、それが断片的であることに変わりはない。たとえば自分の仕事の頂点に立つことを夢見るとき、自分が起こした奇跡の詳細な場面や人からの賞賛、味わうスリルも思い描くだろう。しかしそのときに鍵となる重要な場面が必ず抜けている。それはその奇跡を起こし、賞賛され、スリルを味わう前にやっている、およそ魅惑的とは言えない地道な作業なのだ。(p117:太字は佐々木による)

したがってその「地道な作業」を「現実の」どの時間帯に取り組むかを計画しなければなりません。Taskchuteはこの用途にうってつけです。どのタスクに、どの手順で、どのくらいの時間をかければいいかを、可視化してくれるツールだからです。

かつて夢想家グズ人間であったとしても少しもおかしくない夢見るリアリストはTaskchuteを使ったセルフマネジメントを次のように要約しています。

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第一領域~第四領域の分類が意識されれば1つ1つの行動が変わります。

第一領域には再発を予防する手を打ち、第二領域には全神経を集中させ、第三領域は短縮する工夫をし、第四領域は減らす努力をするのです。

7つの習慣×TaskChute2!これでやっと完璧な第四世代の手帳が作れる!! | 旧jMatsuzaki

これは有名な「7つの習慣」をTaskchuteに支援させて実行に移そうとしているリアルタイムなレポートです。『グズの人にはわけがある』の中でも、全く同じことが奨められています。

夢とちがって目標はもっとまとまった企画だ。特定の目標に向かって、特定の段階を、特定の時間枠に沿って進む。夢は目標におきかえるまでは実行することができないので、真剣にとらえている夢があれば、それを目標におきかえる努力をすることだ。(p117)